ほっと一息

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2024.09.26

お買い物で賢く防災 日常備蓄 ローリングストックのすすめ

JA広報通信2024年8月号

イラスト:藤田倫央
参考資料:「東京くらし防災」(東京都総務局総合防災部防災管理課)

「いつもよりちょっと多め」がポイント

 

皆さん、災害への備えは万全ですか? 大切なのは日頃の心構えです。いつもの買い物を少しだけ変えることが防災につながります。

 

日常備蓄とは?

 「日常備蓄」とは、食料品や生活必需品など、普段から食べている・使っているものを少し多めに購入してストックしておくこと。災害時は、食料品や生活必需品が一時的に入手しにくくなることが考えられます。「買って・ストックして・使う」ため、ローリングストックとも呼ばれています。

 

 

備えあれば憂いなし。防災は日頃からの準備が大切です!

①食料品・飲料

 食料・水の備蓄は、最低3日分を目安に食べ慣れたもの・好きなものを少し多めに買ってストック。賞味期限の近い順に食べていき、減った分はその都度補充します。最低3日分、さらに先も見越して備えましょう。

チェックリスト
□持ち歩いてそのまま食べられるもの
あめ・チョコレート(リラックス効果大)/ナッツ(カロリー・栄養価が高い)/チーズ(栄養価・満足度が高い)/ドライフルーツ(ビタミン・ミネラルが豊富)
□火や水を使わなくても食べられるもの
肉・魚加工品(おかずに最適、パワーが付く)/缶詰(保存食の王様、家族の好みに合わせる)
□お湯を注ぐか、温めるだけで食べられるもの
レトルト・フリーズドライ食品(日持ちする上、バラエティーに富む)/細い麺(ゆで時間が短いそうめんや極細のパスタなど、麺つゆやパスタソースも一緒に)
□食欲を促す菓子など
せんべい(香ばしさで食欲増進、個包装のものを)/ようかん(小腹が空いたときに一口タイプを)/野菜・果物チップス(ビタミン補給に)
□栄養バランスを整えるもの
シリアル・バランス栄養食(手軽な栄養補給)/栄養機能食品(食事で取れない栄養をカバー)
□災害時にもお薦めの飲み物
野菜ジュース(野菜不足を解消)/粉末スープ(みそ汁など、体が温まる)/機能性飲料(健康保持に)

 

家族の大好物をストックしよう

 お父さんはトマトジュース、お母さんは豆乳、娘はカフェオレ……など、家族が好きなものを箱買いしてはいかがでしょうか。好きな飲み物が箱買いされていたら、幸せな気分になりますよね。「次は何にしようかな!」なんて、日常備蓄が楽しみになりますよ。

 

 

②生活用品

 ラップ、ポリ袋、ゴミ袋、ガムテープなどは、避難生活で何通りにも使えます。カセットボンベ、乾電池、軍手やビニール手袋なども多めに備えておきましょう。

 

 

③衛生用品

 トイレットペーパーやティッシュペーパーは多めに買っておくようにしましょう。ウエットティッシュ、せっけん、消毒用アルコールも役立ちます。女性は生理用品やおりものシートも多めに備えましょう。

 

 

④ベビー用品・介護用品

 赤ちゃんのおむつや肌着、ベビーフードなどは、日頃利用しているものが安心です。介護用品も同様です。「これしか駄目」な製品は、多めにストックしておいた方が良いでしょう。

 

災害が発生した瞬間に持ち出すものと、避難生活で必要なものを分けておきましょう

避難生活であると便利なもの

 在宅避難する場合や、避難所から一時帰宅する場合に備えることも大切です。避難生活用には、以下のリストにあるものを準備しておくと良いでしょう。

チェックリスト
□携帯トイレ・簡易トイレ
□ウエットティッシュ
□液体歯磨き
□マスク
□飲料(1週間分)
□長期保存できる食べ物(1週間分)
□カセットコンロ・ボンベ
□給水袋
□掃除用具
□水を運ぶ道具(ポリタンクなど)
□ランタン
□アイマスク・耳栓

 

 

すぐに避難しなければならないとき

 緊急避難時には、大きくて重いバッグは文字通り重荷になってしまいます。本当に必要なものだけを緊急避難リュックに入れて、すぐに持ち出せるように玄関などに準備しておきましょう。

チェックリスト
□携帯トイレ
□ヘッドライト
□ヘルメット(折り畳み式が便利)
□レインコート
□防災用ホイッスル
□タオル
□水(500mlのペットボトルを1、2本)
□掃除用具
□マスク
□ゼリー飲料など
□応急手当用品
□モバイルバッテリー
□給水器
□乾電池

 

 

「おうちキャンプ」のススメ

 普段からキャンプを楽しんでいる人は、「おうちキャンプ」を試してみましょう。被災してライフラインが途絶えたとき、自宅でどう過ごすか。アウトドア感覚で実践してみると「あれも用意しておけば良かった」などと、気が付くことが多いものです。カセットコンロや備蓄品で食事タイムを楽しむ、簡易トイレを使ってみる、電源や明かりを確保するなど、被災生活を擬似体験してみましょう。