ほっと一息
2024.09.03
おいしく食べて美しく 残暑の時期の胃腸トラブル対策で美しく
JA広報通信2024年8月号
栄養士●吉田理江
残暑の続くこの時期は、「寝ても疲れが取れない」「常に体がだるい」など日常的に疲労を感じていませんか? もしかしたら、食事が原因かもしれません。疲労回復と美肌づくりにお薦めの栄養素を二つお伝えします。
タウリン
イカ、タコなどに含まれるタウリンには、疲労回復効果が期待できます。タウリンはアミノ酸の一種で細胞を正常に保つ働きがあるため、体の状態を良好に保つために必要な成分です。胆汁酸の合成や分泌を促進し、肝臓の健康をサポートします。肝臓は代謝や解毒などさまざまな機能を担っている臓器です。肝機能が低下すると体の疲労につながるため、肝臓に負担をかける、食べ過ぎ、アルコールの過剰摂取に気を付けましょう。肝臓に負担がかからない食生活を心がけることが大切です。暑い日は、冷製パスタにタコ、トマトを加えるとおいしく、そして手軽にタウリンが取れます。
ビタミンB1
豚肉、そば、玄米などに含まれるビタミンB1は、炭水化物に含まれる糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。エネルギーの代謝が活発になれば体の機能も高まり、疲労回復に役立ちます。不足すると疲労物質の乳酸が体内に蓄積されるだけではなく、イライラしやすくなったり、食欲が低下しやすくなることがあるため、意識してビタミンB1を取るようにしましょう。タマネギ、ニラなどのネギ類に含まれるアリシンがビタミンB1の吸収を高めてくれるため、豚肉と一緒に炒めて食べると良いでしょう。そうめんの代わりにそばを食べるとビタミンB1を効率良く取れます。
暑い日は喉越しが良い麺類ばかりになりがちですが、栄養のバランスが偏り疲労が蓄積されやすくなります。野菜やタンパク質も取るようにしましょう。バランス良く食べることは、美肌づくりにも役立ちます。
栄養士・ダイエットコーチ 吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。