ほっと一息

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2024.09.20

なくそう食品ロス 干し野菜を作ってみよう

JA広報通信2024年8月号

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美

 

 キュウリやナスが旬ですね。キュウリはあっという間に大きくなってしまうので、すぐ取らなければなりませんが、あまりに量が多いと食べるのが間に合いません。

 そこで便利なのがキュウリの半干しです。以前にもこのコラムで紹介しましたが、長野県で米や野菜を作っている義父母に教えたところ、おいしいと喜ばれたので、あらためてお伝えします。料理研究家の有元葉子さんの著書『「使いきる。」レシピ』(講談社)で紹介されています。

 キュウリを斜め輪切りにし、ざるなどに並べて庭先やベランダに干しておきます。カラカラになるまで乾かすのではなく、触るとシナッとした感じの半干しです。私は斜め輪切りにしていますが、普通の輪切りや拍子木切りでもOKです。

 半干ししたキュウリを塩もみし、ごま油や砂糖、しょうゆ、酢などであえると一品になり、お酒のつまみにもぴったり。半干しにすると、生で食べるよりさらにかみ応えが増します。私は和風だれで漬けますが、コチュジャンを使って韓国風、オリーブ油やバルサミコ酢を使ってイタリアン風などにアレンジもできるでしょう。

 キュウリは生のまま食べてもいいですし、肉と一緒に炒めるのもいいですね。有元葉子さんは玄米カレーの具材としてもお薦めしています。

 野菜を干す方法はキュウリ以外にも使えます。冬に旬を迎えるダイコンは切り干し大根にできます。先日、冬の間に作っておいた切り干し大根を水で戻し、絞って甘酢漬けにしたら、歯応えのあるサラダになりました。切り干し大根は、煮ると軟らかくなりますが、水で戻すとコリコリしておいしいです。

 冬ならジャガイモ、秋ならキノコ、夏ならズッキーニなど応用可能です。エノキタケは干すとみそ汁の具やだしとして使えます。野菜がたっぷり手に入ったら干し野菜を作ってみませんか。

 

 

食品ロス問題ジャーナリスト 井出 留美(いで るみ)

株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。