ほっと一息
2023.10.25
毎日5分 湯ったり手軽にエクササイズ! LET’Sお風呂体操
JA広報通信2023年10月号
監修:国士舘大学教授 須藤明治(すどう あきはる)
参考文献:『お風呂で5分!「アクア・ストレッチ」健康法』(講談社)
イラスト:出口由加子
お湯の中でリラックスしながら気軽に行える「お風呂体操」に挑戦してみませんか。
浮力や水圧、水の抵抗など、お湯の中ならではのメリットを最大限に活用して、
入浴のついでに腕を揺らしたり、脚を揺らしたりするだけでも効果大。
ゆったりお風呂につかって体をほぐしましょう。
肩 誰もが悩む現代病、肩凝りを解消
肩筋肉の過度な緊張と血行障害を改善し、肩凝り知らずの体を手に入れる体操です。
STEP1 肩のリラクゼーション
①両手を胸の前で合わせます。息を吐きながら指先を前方にゆっくり倒します。
②息を吸いながら指先を自分の体に向けて倒します。(1)〜(2)を10秒かけて行い、3セット繰り返します。
STEP2 腕の内側の神経への刺激を促す
①両手を合わせ、親指を上にして前方に伸ばします。
②手のひらを上にして小指を付けた状態で、息を吐きながら腕を伸ばせるだけ伸ばします。
③手のひらを上にして小指を付けた状態で、息を吸いながら両手を手前に引き寄せます。
④両手を合わせ、息を吐きながら親指を上にして前方に伸ばします。(1)〜(4)を10秒かけて行い、3セット繰り返します。
腰 腰痛の原因は背中にあり
背中・肩甲骨周辺、次にお尻・もも裏の筋肉をほぐし、骨盤と大腿(だいたい)骨周辺を結ぶ筋肉を鍛えましょう。
筋肉をほぐして背中と肩をストレッチ
①大胸筋群を伸ばします。両手を頭の後ろで組み、息を吸いながらできるかぎり両腕を広げます。
②肩甲骨周辺の筋肉を伸ばします。両手は頭の後ろで組んだまま息を吐きながら顔を下げ、肘を前方に倒します。(1)〜(2)を5秒ずつ2回繰り返します。
③お尻・もも裏の筋肉をほぐします。息を吐きながら、左右の膝をそれぞれ10秒ずつ胸元に引き寄せます。
④両手を頭の上で組み、手のひらを上にして両腕を伸ばした状態で、8秒間体を左右にひねります。
脚 むくみは女性が多く抱える悩みです
下半身にたまった水分や老廃物、冷えからくる血行不良を解消しましょう。
筋肉をほぐし、静脈の流れを整え脚をすっきりさせる
①首周りの筋肉をほぐします。湯船の中で脚を組み、首を左右・前後に10秒ずつゆっくり倒し、その後、左右に回します。
②お尻・もも裏の筋肉をほぐします。息を吐きながら、左右の膝をそれぞれ10秒ずつ胸元に引き寄せます。
③息を吐きながら、左右の膝をそれぞれ10秒ずつ横方向に引き寄せます。
④下半身の静脈の流れを整えます。足首の内側、膝の下、太ももを順に両手で押さえます。
基本編 入浴の作法
入浴の前後にはしっかり水分補給を!
入浴中は発汗などで次々と水分が体内から失われ、血液を濃縮させてしまいます。中高年で血管が細くなっていたり、気付かず動脈硬化が進行している人などは、最悪の場合血栓ができてしまう可能性があります。入浴前後にそれぞれコップ1杯程度を目安に水分を補給しましょう。
飲酒後の入浴は避けよう
飲酒後に入浴すると、体がアルコールを薄めようとして細胞から水分を出しているところに、入浴による発汗でさらに水分を失ってしまいます。血液を濃縮させてしまうことになり、場合によっては倒れてしまうこともあり危険です。細胞も確実に老化してしまうため、飲酒後の入浴は避けましょう。
お風呂にはゆっくり入ってゆっくり出よう
湯船から一気に上がろうとするのはとても危険です。急に体の周りの水圧がなくなると、温まって広がっていた血管の血液が重力によって一気に下がってしまい、貧血を起こして倒れてしまうことがあります。お風呂にはゆっくり入って、ゆっくり出るようにしましょう。