ほっと一息
2023.09.11
健康百科 機能性胃腸症とは
JA広報通信2009年9月号
佐久総合病院名誉院長●松島松翠
胃の内視鏡検査で、がんや潰瘍(かいよう)などの異常が見つからないのに、何となく胃の不快な症状が続くというようなことはありませんか。
例えば食後に、胃のもたれがなかなか取れない、胃が重苦しい。みぞおちに痛みを感じる、焼けるような感じがする(これは胸焼けとは違います。胸焼けはみぞおちより上の胸の辺りに起こります)。または、 少し食べただけでお腹がいっぱいになってしまうなどです。
このような症状は、何らかの原因によって、胃の機能低下が起こっているために生じると考えられ、「機能性胃腸症」と呼ばれています。
症状を改善するためには、日ごろの食事の取り方に注意することが必要です。
香辛料や脂質の多い食べ物を取り過ぎない
香辛料を取り過ぎると、胃の知覚過敏を招きます。脂質の多い食べ物は消化が遅くなるので、胃の動きが悪くなります。
よくかんで、ゆっくり食べる
よくかまずに早く食べると、胃に負担がかかります。
腹八分目を心掛ける
一度にたくさんの量を食べ過ぎると、胃に負担がかかります。
食べてすぐに寝ない
食べ物が胃に残っている状態で寝てしまうと、起きたときに胃の調子が悪くなります。
そのほか、ストレスがかかると、胃や十二指腸の働きに影響を及ぼします。機能低下や知覚過敏を引き起こす原因にもなりますので、ストレスは解消するように心掛けましょう。
これらの対処法で改善しない場合は、薬物療法が必要になりますので、病院を受診してください。