ほっと一息

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2023.09.08

人間関係・こうしたらどうでしょう   生活音に苦情を言う隣人、ストレスに

JA広報通信2009年9月号

 エッセイスト●小川有里

 

【相談】1年前、隣に引っ越してきた家族の息子(30代)は、無職で一日中家にいます。とても神経質でわが家の室内犬の鳴き声、雨戸を開け閉めする音、風で庭木がざわざわ鳴る音まで「うるさい」と苦情を言いに来ました。両親は日中留守、たまに顔を合わせても知らんぷり。もめごとは好みませんが、少しこちらの言い分も伝えた方がいいでしょうか。

【アドバイス】普通の生活を営む中で自然に出る音、生活音はお互いさまです。それが通じない相手が隣にいる。親は息子のクレーマーぶりを知っているのかいないのか知らん顔。深刻な問題ですね。

 隣家の息子は、おとなしいあなた方夫婦に何だかんだと苦情を言うことで、面白くない日々のうっぷんを晴らしているように思われます。

 多分、あなた方がいくら気を使って生活しても、本人の生き方が変わらない限り、苦情を言いに来る状況も変わらないでしょう。

 もう1年も、何でこんな音までと思いながら、何も言わずに謝ってきたのです。あなたの言うように、ここらで思い切って「こちらの言い分」も伝えてみることをおすすめします。  「ご近所とは仲良くしたいと思って、うちは精いっぱい、気を使っていますよ。これ以上はどうしようもありません。生活音はお互いさまと思っていただけませんか」と。あくまでも穏やかに言いましょう。あなたより夫に言ってもらったほうが効果的かもしれません。

 人は自分より弱そうな人、何も言い返さないような人を選んで苦情や文句を言うことが多いものです。ストレスをため込むより、こちらの思いも聞いてもらいましょう。