ほっと一息

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2023.09.06

トラブル回避の基礎知識 水回り修理の依頼は慎重に

JA広報通信2009年9月号

国民生活センター 相談部●黄田玲子

 

 台所やトイレなどで水漏れや詰まりが発生したとき、広告などで知った業者に慌てて修理を依頼し、トラブルに巻き込まれることがあります。

 

【事例1】「基本料金3000円~」という電話帳広告を見て、業者に台所の蛇口の水漏れ修理を依頼した。来訪した業者は蛇口の交換が必要だと説明したが、料金には触れなかった。作業後に5万円の請求があり納得できなかったが、高圧的な態度で迫られ怖くなって払ってしまった。

 

【事例2】トイレが詰まったので、以前配布されたシールに記された業者を呼んだ。来訪した業者は尿酸が詰まっていると言い、すぐに便器を取り換えてしまった。数日後、また詰まったので別の業者を呼ぶと、ラバーカップで吸い上げただけで直った。便器の交換は必要なかったのではないか。

 

 いずれの事例も、消費者自身が修理のために業者を呼んでいるため、依頼した修理と関係ない契約をした場合を除き、クーリングオフの対象にはなっていません。また蛇口の交換、排水管の清掃や詰まりの解消といったサービスを直接規制する法律はなく、こうしたトラブルを解決することは現実的には難しいといわざるを得ません。

 トラブルを避けるため、修理依頼をする前には、できるだけ多くの業者からおよその作業内容や料金の目安を聞き、可能なら見積もりを取って比較検討します。作業の際には現場に必ず立ち会い、必要性がはっきりしない工事をすすめられた場合には、応急処置のみを依頼し、後で他業者に確認する方が無難です。

 なお、蛇口までの給水装置の漏水工事や排水管設備の新設、増設などにかかわる工事は、市町村が指定した業者でなければできません。ただし指定業者であっても、作業を依頼するときには同様に比較検討することが大切です。