ほっと一息

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2026.09.16

お天気カレンダー

JA広報通信2026年9月号

気象予報士●檜山靖洋
イラスト:とよだ時

「秋は夕暮れ」

 

 「秋は夕暮れ」。『枕草子』の中でも、とりわけ親しまれている一節です。作者の清少納言は、夕日が差し、山の端がくっきりと見える秋の夕暮れの美しさを描きました。1000年以上も前の人々も、この季節の空に心を動かされていたのです。
 気象の面から見ても、秋の夕暮れが美しいのには理由があります。夏に比べて空気中の水蒸気が少なくなり、遠くの景色まで見通しやすくなるためです。澄んだ空気の中で夕日が山並みを照らし、空はあかね色から群青色へとゆっくり表情を変えていきます。
 10月は日の入りが日に日に早くなる季節でもあります。つい先日まで明るかった帰り道が、同じ時刻でも、いつの間にか夕暮れに包まれていることに気付く頃でしょう。
 忙しい毎日の中でも、ほんの少し足を止めて、西の空を眺めてみませんか。清少納言が愛した秋の夕暮れは、1000年の時を超えて、今も私たちの頭上に広がっています。

 

 

 

 

 

 

 

気象予報士・防災士
檜山 靖洋(ひやま やすひろ)
1973年横浜市生まれ。
明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、印刷会社に就職。
1999年に気象予報士を取得し気象会社へ転職。
2005年からNHKの気象キャスターに。
朝のニュース番組「おはよう日本」の気象情報に出演中。