ほっと一息

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2026.03.23

資産管理の法律ガイド 親族法について その30 養子縁組の解消④

JA広報通信2026年2月号

JA全中・JA全国相続相談・資産支援チーム 顧問弁護士●草薙一郎

 

 養子に相続させたくないケース

 養子が養親に暴力を加えたり、虐待行為を繰り返すようなときは、前回説明した「縁組を継続し難い重大な事由」があると考えられるので、離縁の理由になると考えます。もし、養子が養親からの離縁の申し入れに承諾をしないときは、調停、そして訴訟での解決を図ることになり、結果が出るまでにはかなりの時間が必要となります。

 そして、離縁の裁判中に養親が死亡すると、養子との親子関係は維持された状態ですので、養子には相続権が生じることになります。

 このようなケースのとき、養親は養子に財産を相続させたくないと考えることが多いのですが、養親としては万一の場合に備えて遺言書を作成しておくことが大切です。

 

 遺言書の作成と注意点

 養子に財産を相続させたくない場合は、遺言書を作成し、その遺言の中で養子を相続人から廃除する旨を記載しておくことが大切です。具体的には「この遺言の効力が生じたときに養子である○○との離縁が成立していないときは、養子○○を相続人から廃除する」という趣旨を記載しておきます。
 民法893条では、遺言で推定相続人の廃除が認められており、遺言執行者は遺言の効力が生じた後に、遅滞なく、推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することになります。

 そして、この廃除は被相続人の死亡のときにさかのぼって効力が生じますので、廃除となれば養子の相続権はなくなります。

 ただ、注意するべきは廃除を求める養親はすでに死亡しているのですから、廃除の理由や証拠を遺言執行者が把握していることが大切です。

 離縁の裁判をしている方が、この遺言をすることになるのですから、離縁の理由や証拠を今度は廃除の請求に利用するということになります。そのため、離縁の裁判を担当している弁護士を、遺言執行者としておくのも必要かと考えます。

 次回は、扶養について説明します。