ほっと一息
2025.07.07
国際協同組合年
JA広報通信2025年7月号
●2025国際協同組合年全国実行委員会事務局
協同組合の運営原則(1)
国際協同組合同盟(ICA)は1995年に「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」を出し、協同組合の定義・価値・原則を示しました。今回は七つの協同組合原則のうち、第1原則について解説します。同原則では、「協同組合が組合員制を取ること」「自発的であること」「開かれていること」という三つが述べられています。
■ 組合員制を取る
経済的、社会的、文化的ニーズをかなえるために自発的に手を結んだ人々が、組織された協同組合の組合員と名付けられます。その上でどんな人が組合員になれるかを同原則は述べています。
■ 自らの意思で
協同組合を組織したり協同組合に加入したりすることはその人自身の意思のみによるべきで、他の誰からも強制されないこと、言い換えれば協同組合に入らない自由がある、ということです。これは、国によっては政府などにより協同組合への加入が強制される場合があったことが念頭に置かれています。
■ 開かれている(誰でも加入)
基本的に希望する人は誰でも加入できる、ということです。同原則では具体的に、ジェンダー、社会的(社会的な属性、民族や文化などによる差別)、人種的、政治的、宗教的な立場を理由に加入を断ってはならないと述べています。
ただし、この開かれていることには二つの条件が付いています。一つ目は協同組合のサービスを利用できることです。協同組合が特定の属性の人たちによって、その人たちが利用するサービスを提供するように組織された場合(例えば農業者が農協を組織する場合)は、そのサービスを利用できる人だけが加入できる、と限定される場合があります。
二つ目は組合員としての義務と責任を受け入れる意思があることです。同原則には、協同組合がもたらす利益を自分たちだけで独り占めせず、より多くの人に広げていこうという考えもあります。
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日本協同組合連携機構