家庭菜園コーナー
2025.05.08
抑制キュウリ
JA広報通信2025年5月号
園芸研究家●成松次郎
あなたもチャレンジ! 家庭菜園
抑制キュウリ 順々に種まきして、長い間収穫を楽しむ
露地栽培のキュウリは春に種まき(晩春に植え付け)、夏に収穫するのが一般的ですが、家庭菜園でも6、7月に種まきすれば、春まきの収穫が終わる頃から新鮮なキュウリがなり始めます。ただし、盛夏期に種まき(または植え付け)するため、高温・乾燥で発芽や活着が不良になりやすく、病害虫の発生が多い時期であること、台風や干ばつなどの気象障害を受けやすいことなどに注意が必要です。
[品種]耐暑性があり、ウイルス病などの病気に強い品種を選びましょう。「ⅤR夏すずみ」(タキイ種苗)、「ときわ光明(こうめい)」(ときわ研究場)などが良いでしょう。
[畑の準備]種まき2週間前までに1平方m当たり苦土石灰200gをまき、土と混ぜておきます。次に、1週間前に化成肥料(NPK各成分10%程度)200g、堆肥2、3kgを散布し、よく耕しておきます。幅約120cm、高さ約10cmの畝を作り、土壌水分が適度のときに白マルチを張って乾燥と地温の上昇を防ぎます。前作が果菜類のときは元肥をゼロでスタートし、収穫が始まった頃から追肥を開始します。
[種まき] 栽植方法は2条植えでは、条間80~90cm、株間60~70cm間隔にまき穴を作り、1カ所3、4粒をまきます(図1)。育苗する場合は9cmポリポットに2、3粒の種をまき、本葉2枚程度で植え付けます。
[誘引・整枝]つるが伸び出す前に長さ2m以上の支柱にキュウリネットを張り、つるをネットに誘引します(図2)。下から5、6節までの子づると雌花は、全て早めに摘み取ります。6、7節以上の子づるは本葉2枚の上で摘心し、親づるは支柱の高さで摘心します(図3)。
[追肥・灌水(かんすい)]肥切れさせないよう2週間ごとに収穫終了前まで追肥を続けます。1回目は果実が取れ始めた頃に1平方m当たり化成肥料30g程度を株の周りに施し、軽く土と混合します。2回目以降は同量を畝の肩に浅く溝を作って施し、薄く土寄せします。キュウリは特に水分が必要で畑が乾いていたら必ず灌水します。
[病害虫の防除]べと病やうどんこ病は登録農薬で防除します。アブラムシには、粘着くん液剤などを散布します。
[収穫]長さ21、22cm、重さ100~120gが収穫適期ですが、小さくても「もろキュウ」として楽しめます。最盛期は朝夕2回の収穫を心がけ、また草勢が弱ったときには若取りして株の負担を減らし回復を早めましょう。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。