ほっと一息
2025.01.24
トラブル回避の基礎知識
JA広報通信2025年1月号
国民生活センター相談情報部●鮫島友里恵
屋根の点検商法のトラブルが増えています
【事例】〈A近くで工事をしている〉という業者が、「〈Bお宅の屋根瓦がずれているのが見えた。無料で点検してあげる〉」と来訪した。無料ならと点検を依頼すると、業者は屋根に上り、その後、ずれた瓦の写真を見せられた。「〈C台風が来たら雨漏りして大変なことになる。〉すぐに修理した方がいい。〈Dこの場で契約すれば特別に安くする〉」と勧誘された。雨漏りしては困るし、割引になるなら良いと思い、その場で約100万円の屋根工事の契約をした。だがその後、別暮らしの家族から反対された。工事はまだ始まっていないが、解約できるか。
点検商法とは点検と称して訪問し、不安をあおってサービスなどの契約させる手口をいいます。最近では屋根の点検商法によるトラブルが増加しており、特に高齢者が狙われています。典型的な勧誘トークを知って被害を防ぐことが大切です。
①訪問・点検のきっかけとなるトーク(A、B)
近所で工事しているなら安心、無料なら点検してもらってもいいと思わせるトークで近づきます。
②不安をあおるトーク(C)
消費者の不安をあおりながら言葉巧みに工事を勧めるトークですが、見せられた写真が本当に消費者宅の屋根かどうかは分かりません。
③お得感を強調するトーク(D)
その場で契約することでお得だと思わせるトークですが、本当にお得なのかどうかは不明です。
万一、契約してしまった場合でも、訪問販売で契約した場合には、クーリング・オフなどができる場合があります。すぐにお近くの消費生活センターに相談しましょう。
見知らぬ業者に点検を依頼することには、さまざまなリスクが伴います。屋根工事を勧められたら、まずは家を建てた工務店などに相談し安易に契約をしないことが大切です。