ほっと一息
2024.07.25
知って納得! 税金講座 国税庁を装ったメールに注意
JA広報通信2024年6月号
JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問税理士●柴原 一
最近、国税庁を装った還付金詐欺のメールが届いたという話をよく耳にしますし、実際に私の元にも次のようなメールが届きました。
「国税還付金の電子発行を開始しました。e‒Taxをご利用いただきありがとうございます。令和6年度の税制改正等のうち、以下の申告手続きについて、追加および修正を行い。税制改正に伴い、税金の状況をわかりやすくするため。E‒Taxの個人納税アカウントを持つことを全員に義務付けています。このメール受信後24時間以内に下記の専用リンクからE‒taxアカウントをご登録ください」
最初に申し上げたいことは、税額の還付に際してインターネット上で何か手続きが必要になることはないということです。またメール全体のレイアウトなども、国税庁からのメールによく似せた雰囲気になっていました。確かにe‒Tax利用者でメールアドレスを登録すると、税務関連のお知らせが届きます。しかし、その場合には必ず冒頭に○○様と、あなたの名前が入っているはずですが、詐欺のメールの場合には、名前の記載がなかったり「ご担当者様」と記載されたりしているようです。そして「e‒Tax」を「E‒Tax」などと表記することはありません。メールの文章を読んでみて、おかしな日本語の箇所がある、変な所に句読点が入っているなどの違和感があったら絶対に対応しないでください。
類似の手口として、警察や地方自治体を装ったメールもあるようです。災害・盗難・横領の被害に遭った場合には、確定申告で雑損控除を適用でき、引ききれなかった金額は3年間控除額を繰り越すことが可能です。しかし詐欺の場合には雑損控除や雑損失の繰越控除の対象になりません。このようなメールが来た場合には、1人で対応せずに、税理士やJAの窓口、家族や友人、警察などへ相談してください。