ほっと一息
2024.07.24
シニアのためのネットリテラシー講座 デマやフェイクニュースの見分け方
JA広報通信2024年6月号
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子
気になる投稿は全文検索しよう
今回は、具体的なデマやフェイクニュース(虚偽報道)の見分け方をお伝えします。
X(旧ツイッター)などを見ていると、毎日のように気になる情報が飛び込んできます。最近も、英国・チャールズ国王死亡デマ、某銀行取り付け騒ぎデマなどをご覧になった方もいるでしょう。このような大きなニュースは、事実であれば新聞やテレビなどのマスメディアも報じるはずです。大きな事件なのにマスメディアで検索して見つからなければ、デマと考えるといいでしょう。
台湾地震でも、能登半島地震と同様に他人の投稿をコピー(複写)&ペースト(貼り付け)した投稿が目立ちました。一般人の投稿で、デマかどうか気になる場合は、投稿全文でX内を検索してみましょう。違うユーザーがまったく同じ投稿をしている場合は、一番古い投稿がオリジナル投稿でその他は元の投稿を複写したと考えられます。誤って信用しないようにしましょう。
画像検索では分からない生成AI製画像に注意
投稿に写真が付いていると、つい信用したくなってしまいます。しかし、過去の写真を転用しているケースも多いです。気になる場合は、写真を「Google画像検索」で検索しましょう。この場合も、一番古いものがオリジナル画像の可能性が高いです。熊本地震の際の動物園からライオンが逃げたというデマを例にしても、画像検索をすると、元画像が海外で撮影されたものと分かります。事実なら目撃者は多数おりさまざまな画像があるはずですが、この1枚しか見つからないことからも怪しいと分かります。
2022年には、静岡県の水害の際に「ドローンで撮影された静岡県の水害」と称し、生成AI製の偽画像が投稿された例もあります。偽画像や偽動画は簡単に作成でき、それだけでは真実か分かりづらいので、情報発信者が信頼できるかどうかを確認してください。
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 高橋 暁子(たかはし あきこ)
SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。