ほっと一息

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2024.08.03

皆で仲良く100歳食 豆腐でニコニコ骨丈夫

JA広報通信2010年8月号

食文化史研究家●永山久夫

 

 長寿村の長生きおじいさん、おばあさんは、たいがい骨太で小柄でもがっちりしています。日焼けしたお顔はまるで福の神。いつもニコニコと笑みを浮かべています。季節の変わり目などもへっちゃら。まさに、人生ドラマの主役という感じ。

 食生活から見ると、カルシウムをたっぷりと取っているから、心にも健康にもゆとりがあるのです。もし、カルシウムが必要な分だけ供給されないと、脳の中の神経伝達がスムーズにいかなくなって、興奮したり、イライラしやすくなりますから、ニコニコどころか怒りっぽくなるでしょう。そうすると血圧も上昇しますからやがて動脈硬化となって、長生きは難しくなります。100歳などとてもとても無理。

 ニコニコと長生き人生を楽しんでいる方は、ほとんどが豆腐好き。夏は冷ややっこで冬は湯豆腐、そして、一年中豆腐のみそ汁。まだまだ暑い日が続きます。ワッハッハとかニコニコしながら、カルシウムの豊富な豆腐料理はいかがでしょうか。

 カルシウムの1日の所要量は、大人で600mgほどですが、実際に取っているのは、平均して540mg前後ですから、かなり下回っています。

 「骨にカルシウムを!」は「奥様に愛情を!」と同じくらい、今や常識。骨粗しょう症から骨折、そして寝たきり、認知症という最悪のパターンを断つためには、カルシウムたっぷりの豆腐にご注目。

 水切りした豆腐(木綿豆腐の方がカルシウムが多い)を皿にのせ、かつお節をたっぷり掛けたら、しょうゆの味つけで食べます。

 かつお節には脳の幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの原料となるトリプトファンというアミノ酸が多く含まれますので、豆腐のカルシウムと一緒になって、いつもニコニコが絶えない健康生活を送れるのではないでしょうか。