ほっと一息

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2024.08.04

健康百科 夏バテ、夏やせを防ぐ

JA広報通信2010年8月号

佐久総合病院名誉院長●松島松翠

 

 まだまだ暑い日が続きます。秋が近づいているとはいえ、夏バテには注意が必要です。  夏バテは過労、睡眠不足、栄養不足などから起きます。主な症状としては、「食欲がない、疲れやすい、だるい」の三つが挙げられます。

 夏は日が長いので、つい働き過ぎの傾向になりやすく、夜更かしもしやすく、睡眠不足になりがちです。また暑さのため食欲が落ちます。そのため、体の消費エネルギーに比べて栄養摂取が足りなくなってしまいます。

 疲労回復のためには、食生活に注意することが大切です。量は少なくても、カロリーと栄養価値の高いものを取ります。油いためや肉料理など脂肪の多い料理は、カロリーが多く、燃えると強いエネルギーを出すので、疲労回復にはもってこいです。

 また、水分の取り方にも注意が必要です。暑いと、必要以上に冷たい飲み物を飲んでしまうことがあります。一度に大量に飲むと、胃液が薄まり、胃腸が冷えてしまいます。その結果、消化する働きが低下して食欲がなくなり、栄養不足を招きます。

 この夏の疲れを秋に持ち越さないためには、まず睡眠不足をなくしましょう。夜はできるだけ早く寝るようにして、たっぷり睡眠を取ってください。

 会社勤めの人は、さらに冷房の影響も受けます。室内と外気の温度差が大きいと、体の調節がうまくいかなくなるからです。一般に体に負担をかけないで済む外気温と冷房した部屋の温度差は、約5度と考えられています。部屋を冷やしすぎないことが大事です。