ほっと一息

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2024.08.02

老人介護のミニ知識 車いすは体に合ったものを

JA広報通信2010年8月号

高齢生活研究所所長●浜田きよ子

 

 先日、勉強会に招かれて、特別養護老人ホームに行ってきました。

 そのとき気になったのが、車いすのことです。何人もの方が車いすに座っていましたが、標準型が多くアームサポート(ひじ掛け部分)は外れません。それに体形の割には大きい車いすを使用している方が多く、そのためか姿勢が崩れてつらそうです。姿勢は食事にも排せつにもかかわる、暮らしの基本です。合わない車いすに座っていると、姿勢が悪くなり心肺機能まで低下します。車いすのサイズは大変重要です。

 座面の幅は一般には介護者の手が入ればいいので、お尻よりも2~3cm程度のゆとりがあれば十分です。広すぎると、姿勢が左右に崩れやすくなりますし、アームサポートにひじを置きにくくなります。

 座面の奥行きはひざ裏がシートに当たらない程度です。奥行きがありすぎると、ひざ裏が当たって不快になりますし、前に滑った姿勢(仙骨座り)になりがちです。座面の奥行きがありすぎるときは、車いすの背シートに背中用のクッションを置くと調整できます。

 アームサポートは、ひじを軽く曲げて置ける高さが基本です。高すぎると肩が上がってつらいですし、低いと姿勢のバランスを崩します。調整できない場合は、座面のクッションの厚みを変えて調整します。

 座面にはその方に合った車いす用のクッションを使用します。またフットサポートも足裏をしっかり置ける高さにしてください。足裏がしっかり支えられていないと、姿勢も不安定になります。

 これらは車いす選びの基本の基です。車いすでの姿勢が悪いと肩も首も痛くなります。いすの代わりにもなっているのなら、ぜひ座る人に合ったものにしましょう。