ほっと一息
2024.06.22
お天気カレンダー 緑のカーテン
JA広報通信2009年6月号
財団法人日本気象協会●檜山靖洋
梅雨も終盤、連日の雨で木々の葉はますます生い茂ります。色濃い緑に囲まれた森の中は、とても癒やされます。森林浴はなぜ気持ち良いのでしょうか。すがすがしい空気の中、木々の香り、花の香りなど自然の香りがいっぱい漂うからでしょう。木から出るその癒やしの成分は、フィトンチッドと呼ばれます。春から夏の雨が降ったあとに多く放出されるので、森林浴はこの季節の雨上がりがおすすめです。
森の中で木々は強い日差しを遮ってくれます。また、木々の葉は水分を蓄え、この水分を空気中に出して蒸発するとき、周りの温度を下げてくれます。これを「蒸散作用」と呼びます。でも、蒸し暑い日本の夏、森に行かなくても快適に過ごしたいものです。
よしずやすだれを使って強い日差しを遮る家も多いでしょう。このよしずやすだれの代わりに、緑のカーテンを使ってみませんか?
といっても、単なる緑色のカーテンではありません。
ゴーヤ(ニガウリ)やアサガオなど、つるが伸びる植物を育てて、庭やベランダの窓際にネットを張ると、つるがどんどん伸びて葉が生い茂り、やがて「緑のカーテン」となります。これが強い日差しを遮り、室内の気温上昇を抑えてくれます。葉の中の水分が蒸発するときは、周りの温度が下がる効果も期待できます。ゴーヤなら、収穫して食べる楽しみもあります。ビタミンCが豊富なので、夏バテ予防にもなるでしょう。
この夏、ゴーヤなどの緑の力を借りて快適に過ごしてみませんか。暑さと夏バテで「ニガイ」思い出だけにならないようにしましょう。