ほっと一息

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2024.06.21

季節のいろどり帖 半夏生

JA広報通信2009年6月号

●とよた 時

 

 カレンダーで半夏生(はんげしょう)という文字が書かれています。これは二十四節気を、さらに三つずつに分けた七十二候の第三十候で、夏至から11日目を表します。

 このころはドクダミ科のハンゲショウやサトイモ科のカラスビシャク(半夏=ハンゲ)という野草が生えるころだそうです。

 昔はこの日の天気で、その年の農作物の出来不出来を占ったといいます。この日は、天から毒気が降るという言い伝えがあり、江戸時代の暦には「前夜から井戸や泉にふたをすべし」と記されていました。

 さらに、地中に陰毒が含まれるので毒草が生えるといわれ、野菜を食べたり、竹林に入ったり、種をまいたりしてはならないという風習もあったそうです。

 「半夏半作」という言葉もあります。半夏生は田植えの終わりの目安ともなります。この日を過ぎても田植えをしているようでは、収穫はおぼつかないとされ、どんな天候不順な年でも、半夏生の後は田植えをしない習慣があったそうです。