ほっと一息
2024.07.12
人間関係・こうしたらどうでしょう 社交辞令のつもりが…
JA広報通信2009年6月号
エッセイスト●小川有里
【相談】スポーツセンターでよく顔を合わせる30代の男性から「営業職に転職した。この地域を回るのでよろしく」とあいさつされました。「近くに来たときは寄って。お茶くらい入れます」と社交辞令のつもりで軽く言っておきました。ところが彼は「先日伺ったら留守だった。そのうちまた伺います」。商品を買う予定もないし、困っています。(50代)
【アドバイス】社交辞令のつもり、リップサービスしただけだったのに相手が言葉通り受け止めてしまった。仕方なく欲しくないものを買ったり、興味のない催し物に行くことになったりという例、珍しくありませんよね。サービス精神の持ち主で、愛想のいい人がこういう体験をすることが多いようです。
彼は初めての営業職、多分心細くなっていたのでしょう。そういうとき、母親のように優しい言葉をもらい、とてもうれしかったのだと思います。そう、社交辞令とは気づいていないのでしょう。今の若い人は言葉を額面通り受け取りがちですから。
今度、あなたがいるときにやって来たら居留守を使ったりしないで約束通り、玄関先ででも一度お茶を出しましょう。そのときに「あなたが扱っている商品は購入予定がありません。ごめんなさいね」とやんわり、でもきちんと伝えることです。はっきり言わないと彼に期待を持たせることになります。
帰りにもし「また寄っていいですか」と言われたら「私、留守が多いし、いろいろ忙しいので、話があればスポーツセンターで会ったときにね」と笑顔で断りましょう。
これからは「寄って」は、誰に対しても気軽に言わない方がいいですね。