ほっと一息

ほっと一息

2024.06.16

お天気カレンダー 陽性と陰性の梅雨

JA広報通信2024年5月号

気象予報士●檜山靖洋

 

 万物は陰と陽でできているという「陰陽説」という考え方があります。陰は静的で消極的で、陽は動的で活発なイメージです。

 梅雨にも、陰性の梅雨と陽性の梅雨があります。陰性の梅雨は、しとしととした雨がだらだらと降り続くもので、関東や東北の太平洋側に多い降り方です。一方で、陽性の梅雨は、ザーザーと激しい雨が何日か降り続き、その後何日か梅雨の中休みで晴れ間が広がるようなめりはりのある降り方です。西日本では、このタイプの梅雨が多くなります。
 ところが、近年はしとしとタイプの梅雨があまり現れず、関東でも陽性の梅雨になることが増えてきています。その分、梅雨の期間に晴れ間が出ることも多くなりますが、大雷雨になったり、大雨による災害が起こりやすくなったりします。暖かい湿った空気が流れ込みやすくなったことが原因です。これも地球温暖化の影響の一つといえそうです。

 

 

 

気象予報士・防災士 檜山 靖洋(ひやま やすひろ)


1973年横浜市生まれ。
明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、印刷会社に就職。
1999年に気象予報士を取得し気象会社へ転職。
2005年からNHKの気象キャスターに。
朝のニュース番組「おはよう日本」の気象情報に出演中。