ほっと一息

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2024.05.17

みんなのSDGs 田んぼソムリエになろう 食べられる「田の草」 セリ

JA広報通信2024年4月号

田んぼソムリエ●林 鷹央

 

 食べられる「田の草」の代表格といえばセリ(芹)でしょう。セリは貧血や生活習慣病の予防効果、抗酸化作用もある栄養価の高い野草です。人に食べられてしまうセリはどうやって身を守ったら良いのでしょう? 食べられてもそれ以上に増えるという選択肢があります。セリが田植え前の田んぼやあぜで旺盛に増えている姿を見かけます。
 他の方法としては、有毒植物に似せることで「毒草かも?」と思わせる擬態も使われているようです。セリによく似ていて、食べると死に至ることもある危険な毒草を三つ挙げます。
●ドクゼリ:セリ科。日本三大毒草に数えられるほど強力な毒を持つ。セリのような香りがしない、巨大化する、根の断面が節状になるなどで見分けるが、小さな若芽の頃に間違われやすい。
●セリバヒエンソウ:キンポウゲ科。花が咲いていないときは、セリによく似ていて間違いやすい。香りがしない。
●ムラサキケマン:ケマンソウ科。紫の花を見れば間違えることはないが、花が咲いていない時期にセリと間違えて摘まれやすい。

 このように、猛毒のそっくりさんがいるので、野外でセリを摘むときは、十分に注意してください。

 


ドクゼリ

 

 

セリバヒエンソウ

 

 

ムラサキケマン

 

 

 

田んぼソムリエ 林 鷹央(はやし たかお)

三重県生まれ、東京育ち。「田んぼの生きもの調査」を通して全国の農村・学校で生物多様性や農・里山文化の意義を伝える。著書に『田んぼソムリエになる!』(安心農業株式会社刊)がある。