ほっと一息

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2024.04.29

体操●二村式ラップのしん体操(2) 腰痛を予防する

JA広報通信2007年4月号

 理学博士●二村ヤソ子

 

 腰痛を抱えている人の80%は、筋肉が弱っているか、または筋肉が硬くなっていることが痛みの要因であると考えられています。

 もう少し詳しく説明すると、脊椎(せきつい)を支える腹筋、背筋、臀(でん)筋(お尻の筋肉のこと)が運動不足のために弱ったり、硬くなったりすると脊椎が曲がってきます。そうすることで、脊椎骨のバランスが崩れて、腰痛を起こすといわれています。

 重い物を急に持ち上げたとき、突発的に起こるぎっくり腰は、腰痛の代表的なものです。背中を丸めて前かがみの姿勢で長時間デスクワークを続けたり、立ち仕事をしていると、腰が疲れてだるくなり、筋肉がこわばってきます。硬い筋肉はけがを起こしやすく、疲労がたまりやすくなります。伸びやすく弾力性のある筋肉や、柔らかい関節にして普段から正しい姿勢を保てるような体づくりを心掛けましょう。

 そこで、ラップのしんを使って筋肉を柔らかく保ちます。2本のしんを同時に使うと広い範囲に刺激が与えられ、効率よくマッサージできます。なお、つぼを刺激する場合は、1本の方がきちんと当たるので、使い分けてマッサージしましょう。

(1)ひざを曲げて体を少し前に倒し、ラップのしんで軽く腰をたたく

(2)同じ姿勢で、ラップのしんを1本横にして左右の手で持ち、腰をラップのしんで上下にこする

(1)ラップのしんを床に置く。両ひざを曲げ、両腕のひじをバランス良く保ち、腰の下でラップのしんを転がす

(2)上体を右に傾けたり、左に傾けたりして、腰の筋肉をしんに当てる