ほっと一息

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2024.04.28

健康百科 増えてきた子どもの肥満

JA広報通信2007年4月号

 佐久総合病院名誉院長●松島松翠

 

 子どもの肥満が最近増えています。全国の6~14歳の男児のうち、約10人に1人が肥満という結果が出ています。

 最近は、肥満のために、大人と同様、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を患い、治療を受けている子どもも増えています。その上、子どもの肥満は、大人の生活習慣病の予備軍といわれ、肥満の子どもの10人のうち8人は大人に引き継がれます。今のうちに肥満を治しておくことが、大人になってからの生活習慣病を防ぐために大切です。

 肥満を解消するには、食事と運動が大切ですが、食事といっても極端に食事制限するのではなく、エネルギーになるご飯などの炭水化物や、体の調子を整える野菜などは毎日食べること、週に1~2回程度は子どもの好きな食べ物も取り入れて、メリハリをつけること、動物脂肪が多く、少量でもエネルギーが高い甘いおやつやファストフードはなるべく控えることなどです。

 親が食べたいものを食べたいだけ食べていれば、子どもだって我慢はできません。親と子どもがお互いに励まし合い、協力し合って、健康に良い食べ物の選び方を覚えていくことが大切です。

 また運動といっても、すぐ駆けっこをするというのではありません。まず日常生活の中で、食事のあと片づけなど、自分のことは自分でさせるようにします。そして、掃除、洗濯、買い物など、家の手伝いを通じて体を動かすようにしていきます。そのうち、子どもが好きな運動を見つけて、運動クラブなどに参加していくのもよいでしょう。