ほっと一息
2024.04.27
高齢者と健やか食生活 骨粗しょう症を防ぐために
JA広報通信2007年4月号
管理栄養士●佐久間真理子
骨粗しょう症とは、体を支える骨の量が減って、骨に「す」が入ったようにスカスカになる病気のことです。このため骨折をしやすくなります。
骨折は、高齢者の寝たきりの原因の第2位となっています。寝たきりにならないためにも、食事や適度な運動、日光浴を心掛けましょう。
骨を構成する主成分はカルシウムなので、カルシウムを十分に摂取することが大切です。牛乳にはカルシウムが多く含まれていて、吸収率も高く、カルシウム補給には理想的な食品です。ヨーグルト、チーズ、脱脂粉乳などの乳製品もうまく利用してください。ほかにも、小魚、大豆製品、海藻類、緑黄色野菜にカルシウムは多く含まれていますが、吸収率が劣り、塩分摂取も多くなりがちです。
カルシウムの吸収効率を良くするビタミンDも十分に摂取します。ビタミンDを多く含む食品には魚、鶏や豚の肝臓、バター、卵黄、魚肉があります。さらに、日光浴で紫外線に当たると、皮膚でビタミンDが作られます。1日1時間程度の日光浴もおすすめです。
骨の形成には、カルシウムだけでなく、マグネシウムも必要です。マグネシウムは、海藻、ごま、抹茶、インスタントコーヒー、大豆、貝類、魚類に多く含まれています。
反対に控えなければならない食品に、リン(リンはカルシウム排出作用がある)を多く含む炭酸飲料、練り製品、インスタント食品があります。骨を丈夫にするには、カルシウム、ビタミンD、マグネシウムを多く含んだ食品を十分に取り、適度な運動を行うこと、戸外で日光に当たることが大切です。骨を丈夫にして、寝たきりにならないようにしましょう。