ほっと一息
2024.04.22
子育てQ&A 子どもの英語教育
JA広報通信2007年4月号
こどもの城 小児保健クリニック 小児科医●巷野悟郎
Q 英語の勉強はなるべく小さいうちからがよいと聞きました。私たち夫婦も英語は苦手なので、3歳の長男には、習わせたいと思っています。いつごろから始めたらよいでしょうか。幼稚園によっては教えているところもあるそうですが。
A 3歳ぐらいの子どもでも、普段の会話の中で日本語と英語の両方を使っていることがあります。「お父さん」と言いますし、「パパ」とも言うでしょう。子どもにとっては日本語、英語の区別はありません。
言葉は日常生活の中でお互いの気持ちを通じ合わせるために使うものです。言葉によって自分を表現したり、相手の気持ちを理解したり、友達同士の仲が良くなったりします。
このように考えたとき、普段自由に使っている言葉がまず基本として必要です。それが日本語ですが、3歳はまだまだ言葉を使う出発点です。まずは、十分に日本語を理解し、話せるようになることが必要です。
この年齢で英語を習わせたいということですが、いま会話を習ったとして、それが日常生活の中でどのように利用されるのでしょうか。日常の言葉としても使う必要があるのでしょうか。言葉はただ覚えるということだけではなく、お互いの気持ちの通じ合いや、微妙な人間関係をつくったりする上で大切なことです。
もし英語を身につけたいなら日常生活で英語の環境に入ることです。それでも10歳ごろまで環境が続かないと、結局は母国語(日本語)だけになってしまうことが多いようです。小学校低学年くらいまで外国で生活して2カ国語が話せるようになっても、帰国して日本語の環境に入ると、せっかく覚えた外国語を忘れてしまうこともよく聞きます。