ほっと一息
2024.04.19
四季の花づくり サクラソウの増し土
JA広報通信2007年4月号
●早川京子
初夏の陽気になることさえある5月は、前月に続いて、夏から秋の花壇を飾ってくれる草花の種まき、苗の植え広げ、植えつけなどが中心になります。種をまくものには、発芽適温の高いアサガオ、ヒョウタン、ユウガオ、ペチュニア、観賞トウガラシなどがあります。
以前ご紹介した日本伝統のサクラソウは独特で、最も重要な「増し土」の時期になります。ソメイヨシノが咲き終わるころに花が開き、今月まで花を楽しませてくれたサクラソウですが、次の年も立派に開花させるためには、花が終わってからの作業が鍵を握ります。
まず、花びらがしぼみ始めたら、花殻は取り除きます。いつまでもつけておくと種子ができて、そのための栄養が送られるようになるので、株が弱ります。また、開花に頑張った株に、お礼の肥料として「お礼肥え」をやります(水溶性のものがよいでしょう)。
サクラソウは、花が終わると地際の葉と根茎の間に新しい根茎を作ります。つやのあるこの芽のようなものが、これからの養分吸収に大きな役割を果たします。これは乾燥に弱く、放っておくと干からびてしまいます。ここで扱いを誤ると、来年の良い花は望めなくなります。
そこで、花が咲き終わったらすぐに、この根茎を守ってやるため、2~3cmの厚さに土を掛けてやります。これが「増し土」です。土は振り掛けておくような状態ですから、強い雨で流され、芽が再び裸にされてしまうこともあります。そんなときは土を掛け直しましょう。掛ける土は、手近にある畑土で大丈夫です。