ほっと一息

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2024.02.21

資産管理の法律ガイド 借家契約について(16)

JA広報通信2011年2月号

JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問弁護士●草薙一郎

 

 借家契約の解除に当たり、解除手続きの相手方についての説明をします。

 契約の解除手続きですので、相手方は原則として契約当事者である借主になります。  一般的には、借主が建物に居住しているのですから、この借主に対して未払い賃料等の催告や解除の意思表示をします。

 しかし、契約上の借主が居住していないケースもあります。例えば、社宅として借りている場合には、従業員やその家族が居住していますし、地方出身の学生がアパートに入居している時などは、実家の親が借主となって契約していることもあります。

 このような場合でも、貸主としては現在居住している者ではなく、契約当事者である借主宛てに解除手続きをする必要があります。

 問題は、借主の保証人に対しても解除手続きをするべきなのかですが、その必要はありません。借主の保証人は貸主との間の契約で、借主の貸主に対する債務の保証はしていますが、借主と建物賃貸借契約をしているわけではありません。従って、保証人に対する解除手続きの必要はなく、あくまでも借主を相手とすべきことになります。

 前述の学生が入居しているアパートのケースも、実家の親が借主であれば、借主に対して手続きをすることになり、入居している学生に手続きをしても法的効果は生じないことになります。

 近くの入居者を相手にできないことになりますが、法的には前述の通りですので、解除に当たっては契約書を再確認すべきでしょう。