ほっと一息
2024.02.14
皆で仲良く100歳食 ギョーザの長生き成分
JA広報通信2011年2月号
食文化史研究家●永山久夫
日本人はギョーザが大好きです。
宇都宮をはじめ、各地にご当地ギョーザが次々と誕生し、今ではすっかり土地の食文化として定着。
水で練った小麦粉を丸く延ばして皮を作り、野菜たっぷりの中身を入れて包み、ヘリをヒダヒダにしながらとじます。
中身は豚のひき肉とニラを中心とした野菜を混ぜたもので、ごま油などで焼けば焼きギョーザ、蒸せば蒸しギョーザとなります。しかも、食べるときには「酢じょうゆ」をつけるのです。酢の主成分の酢酸には血液のサラサラ作用やカルシウムの吸収促進、血圧の安定作用があります。
皮の主成分は炭水化物で体の中で分解されてブドウ糖となり、脳の働きを高めるエネルギー源となるのです。ブドウ糖が完全に燃焼するためにはビタミンB1が欠かせませんが、豚のひき肉にはたっぷり。そのビタミンB1の働きをバックアップするのが、硫化アリルというツーンとくる成分です。こちらはニラやニンニクに豊富に含まれています。
ニラの緑色の濃い葉の部分にはカロテンやビタミンC、ビタミンE、葉酸などがたくさん。それだけではありません。冬から春先にかけて流行する風邪から喉や気管をガードするビタミンAまで含まれているのです。ニラはニンニクの強精作用とホウレンソウのビタミン類を兼ね備えたあっぱれなベジタブルといってよいでしょう。
キャベツも見上げた実力派の野菜。キャベツにはビタミンCが多く、大きめの葉を1枚食べれば1日の必要量のほぼ80%を取ることができるそうです。胃潰瘍などの予防作用でよく知られたビタミンUも含まれています。
ギョーザを若者ばかりに独占させておくのはもったいない。実は、長生き成分の宝庫といってもよいほど老化防止の予防作用があるのです。