ほっと一息

ＪＡ広報通信２０１１年２月号

ファッション・エッセイスト●フランソワーズ・モレシャン

　パリの冬は日照時間が少なく暗い日々が続きます。そして、パリジェンヌの定番カラーである黒のファッションが街をさらに暗くしてしまいます。でも…まだ寒い日もある3月になると、さすがのパリジェンヌも黒のエレガンスには少しうんざり。

　街角ではまるで花のつぼみを目にするように黒いコートの下から、白シャツが登場します。ピュアで爽やかな白シャツが春の訪れを告げるようです。

　白シャツは流行に左右されず、好き嫌いもなく、似合う似合わないもなく、誰のワードローブにも必ず入っている定番アイテム。いつも脇役に思える白シャツですが、最近、コーディネートのメーンアイテムになりつつあります。カジュアルでシンプルながら素材の質感やデザインでさまざまなスタイルを楽しむことができるアイテムだからでしょうね。

　今年のトレンドは「ゆる白シャツ」といわれる大きめサイズ。体のラインをスリムに見せてくれますし、胸元をデコルテにすると、細首で小顔に演出してくれます。襟を立てると、効果はさらに大きくなります。

　まだ肌寒い日には大きめのポンチョ、暖かくなればベストやセーター…、白シャツのコーディネートはバラエティーに富んでいます。丈の長い「ゆる白シャツ」ならワンピース風にレギンスとの組み合わせも若々しいイメージができます。

　白シャツのおしゃれポイントは何といっても首回り。男性のワイシャツのようにネクタイでボーイッシュにも、またボリューム感を持たせてロマンチックフェミニンを強調することもできます。小さなネックレスは逆に首を太く見せるので避けたいものです。

　白シャツで春の訪れを楽しんでください。