ほっと一息

ほっと一息

2024.01.14

なくそう食品ロス 減らそう! 野菜の過剰除去

JA広報通信2024年1月号

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美

 皆さんはナスのへたを切るとき、どう切りますか? 私はまな板にナスを置いて、まな板に対して垂直に包丁を入れて切っていました。
 あるとき、違う切り方を知ったのです。それは、へたや実の部分に包丁を沿わせるように、斜めに包丁を入れて、葉っぱの部分だけを切り取るようにするのです。そうすると、葉の下にある実の部分まで切って捨ててしまうことがありません。
 ニンジンのへたも同じです。まな板にニンジンを置いて、垂直に包丁を入れると実の部分まで捨ててしまうことになります。包丁の手前側の角をへたに当てたまま、ぐるりと1回転させるとへたの部分だけをくり抜くことができます。
 食べられる部分まで切って捨ててしまうことを「過剰除去」といいます。無意識のうちに切って捨ててしまっているけれど、実は食べられる部分も多いのではないでしょうか。
 ある料理研究家の方は、テレビ番組で、ピーマンを手で握りつぶして料理に使う方法を教えていました。ピーマンには、種やへたがありますが、包丁で切ろうとすると、まな板にくっついたりして無駄が出てしまうのです。その方が作ったのは、鶏のモモ肉とピーマンを油で炒めて、甘辛く味付けする料理でした。種やへたも食べられるものですね。
 私は、切り取ったへたもそのまま捨てたりはしません。密閉容器に取って、冷蔵庫のチルド室で保管しておきます。へただけでなく、タマネギの皮、ソラマメやエダマメのさや、野菜の堅い部分などを入れておきます。1週間ほどして、たまったら、深鍋に入れて1L程度の水を注ぎ、1時間ほど煮出します。すると、いろんな食材から出ただしがおいしい「ベジブロス(野菜だし)」になるのです。搾ったかすは、乾かしてからコンポスト(堆肥化容器)に入れています。ごみはゼロ! 食材を全て活用すると、気持ちもすがすがしくなりますよ。

 

 

食品ロス問題ジャーナリスト 井出 留美(いで るみ)


株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。