ほっと一息

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2023.11.19

なくそう食品ロス 余った野菜の使い道

JA広報通信2023年11月号

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美

 カレー、ギョーザ、みそ汁、スムージー……。これらに共通することって、何か思い浮かびますか?
 実はこれ、「野菜が半端に余ったらどうしますか」と聞いたときの答えの献立なのです。例えば、野菜が半端に余ったら「みそ汁に入れちゃいます」っていう人がいました。「カレーに入れます」という人や、ギョーザの具に刻んで混ぜるという人も。
 私の場合は、前日に作った夕飯でキャベツやレタスなどの野菜が半端に余ったら、毎朝作っている野菜と果物のスムージーに入れています。
 野菜じゃないけれど、豆腐が半端に余ったときも入れてしまいます。
 「え、豆腐?」って思うかもしれませんね。豆腐スムージー、意外とおいしいんですよ。高校時代の文化祭でクラスの出し物として提案し、採用されたこともありました。当時はスムージーがはやっていたわけではないので時代を先取りしたかもしれません。
 毎朝スムージーを作るときの材料は、チンゲンサイなどの青菜や青ジソ、レモン、熟して凍らせたバナナ、黒ごまきな粉、おからパウダー、100%果汁のジュースなどです。
 バナナは、シュガースポットが出ている割引の物を買ってきて、家でつるして熟させた後、皮をむいて凍らせておきます。
 バナナも廃棄が多い食品です。バナナの加工食品を製造・販売するバーナナ社の共同創業者マット・クリフォード氏は「毎年1500億本のバナナが輸出用として生産され、その半分の750億本が廃棄されている」と話しています。
 家庭で最も捨てられるのは野菜です。「これに入れればOK」というレパートリーがあると、たとえ食材が余っても心強いですね。
 他にも、野菜炒めやオムレツの具、野菜のキッシュ(パイ生地やタルト生地に、卵液と野菜を入れて焼いた料理)、ミネストローネなど、工夫して使うことはできるはず。野菜が余ったら試してみませんか。

 

食品ロス問題ジャーナリスト 井出 留美(いで るみ)


株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。