ほっと一息

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2024.09.18

お米をおいしく楽しもう お米作りにはどんな作業があるの?

JA広報通信2024年8月号

五ツ星お米マイスター●小池理雄

 

 お米を作るには、まず種まきから始めるよ。なんと1粒のお米から400~500粒ものお米ができるんだ。茶わん1杯はおよそ3250粒なので、種が7粒もあれば十分にご飯1杯分になるね。

 では、農家さんはどのようにお米を作っているのかな? 主な作業を一緒に見ていこう。

①苗作り……種から葉が出て、7、8cmほどに育ったものを「苗」というよ。さらに14、15cmほどになったら田植えをするんだ。ここまで育てば稲作の半分は終わったようなもの、ということから「苗半作」という言葉が生まれたよ。

②田植え……昔は手作業だったけれども今は田植え機を使うよ。機械のおかげで田植えにかかる時間は昔と比べて10分の1程度で済むんだ。

③肥料……稲が元気に育つための「稲のご飯」。田植えの前に田んぼに入れているよ。そして農家さんは「あまり元気がなさそうだな」と思ったら、また肥料を与えるんだ。

④中干し……稲の根が腐らないように、田んぼから水をなくしてカラカラに乾かすんだ。そうすると稲の根っこが健康になるんだよ。

⑤雑草取り……稲にとって雑草は大敵だ。稲のご飯を食べられてしまうからね。雑草を取るのに農薬を使ったり、アイガモという鳥に食べてもらったり、除草機という機械を田んぼに入れたりしているよ。

⑥水管理……稲が暑さに負けないよう、田んぼの水を深くしたり、ずーっと流しっ放しにしたりするんだ。まさに田んぼは「稲のプール」だね!

⑦稲刈り……農家さんは稲を見ればいつ刈り取ればいいのか分かるんだ。そこが農家さんの腕の見せどころなんだね。
 こういった作業だけではなく、まだまだ細かい仕事はたくさんあるよ。稲作は「八十八」の作業があるから「米」と書く、といわれているけど、実際はとてもその程度では収まらないんだ。

 

 

五ツ星お米マイスター 小池 理雄(こいけ ただお)

小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。