ほっと一息

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2024.08.27

知って納得! 税金講座 森林環境税

JA広報通信2024年7月号

JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問税理士●柴原 一

 

 夏真っ盛り。レジャーシーズンですね。皆さんは海派ですか、それとも山派ですか。
 わが国の国土の6〜7割を覆う森林は自然災害を防いだり、温室効果ガスの削減、水資源の維持と浄化など、私たちの暮らしにさまざまな恩恵をもたらします。一方で林業の担い手不足により、整備が行き届かず荒れ果てた山や森も全国各地に存在します。森林の環境維持には、適切な整備が欠かせません。
 美しく豊かな森林を次世代につないでいくための財源を安定的に確保することを目的に、森林環境税及び森林環境譲与税が創設され、令和6年度の住民税均等割から徴収されます。ただし、均等割の合計額は令和5年度までと変わりません。平成26年度から令和5年度までの10年間、東日本大震災からの復興を図る目的で住民税の均等割が1000円引き上げられていました。その1000円が令和6年度から森林環境税になります。よって、令和6年度からの均等割の内訳は、市町村民税(特別区民税)3000円、道府県民税(都民税)1000円、森林環境税1000円です。ここにさらに自治体独自の税を上乗せしている場合もありますので、自治体によって金額は若干変わります。
 森林環境税は住民税の均等割により区市町村が徴収しますが、地方税ではなく国税です。区市町村が住民税の均等割に上乗せして徴収した森林環境税を、一定の基準により国が各自治体に譲与する仕組みです。
 個人住民税は基本的に1月1日時点で住所のある自治体に納めます。住民税には所得割と均等割があり、均等割はさらに、1月1日時点で住所はないが事務所や別荘などの家屋敷がある自治体にも納める必要があります。