ほっと一息

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2024.08.08

おいしく食べて美しく 夏の胃腸トラブル対策で美しく

JA広報通信2024年7月号

栄養士●吉田理江

 夏になると下痢、食欲不振、胃もたれなどの不調が現れることがあります。原因は、冷たい食べ物や飲み物の過剰摂取で胃腸が冷え、機能が低下するためです。今回は夏の胃腸トラブル対策にお薦めの食べ物を二つお伝えします。

 夏ダイコン

 夏ダイコンには、さまざまな消化酵素が豊富に含まれています。でんぷんの消化を助けるアミラーゼ(ジアスターゼ)、タンパク質を分解するプロテアーゼ、脂質を分解するリパーゼなどが含まれているため、夏の胃腸トラブル対策にお薦めです。夏ダイコンには染み対策として、コラーゲンの合成には欠かせないビタミンCも含まれています。美肌になりたい方にもお薦めです。温かいご飯に大根おろし、しらすをのせて食べると暑い夏でもおいしく食べられます。

 

 スズキ

 スズキは低脂肪の白身魚のため、胃腸に負担がかかりにくいです。サバ、牛肉などの脂質が多く含まれる魚や肉は、消化に時間がかかってしまいます。下痢、胃もたれなどの不調があるときは控えると良いでしょう。スズキには、糖質の代謝を助けるビタミンB1が含まれており、不足すると疲労物質の乳酸が体内に蓄積されてしまいます。エネルギーの代謝が活発になれば体の機能も高まり、夏バテに負けない体になるでしょう。胃腸の不調があるときは、煮る、蒸すといった調理法がお勧めです。料理が苦手な方は、耐熱皿にスズキをのせ、少量の酒を振り、電子レンジで加熱すると手軽に食べられます。
 暑い夏は、かき氷、アイスコーヒー、ビール、そうめんなど、冷たいものを取る人も多いでしょう。しかし、過剰に取ると胃腸のトラブルを招くため、日々の食事にみそ汁などの温かい食べ物を取り入れるようにしましょう。おいしく食べて元気に暑い夏を乗り切りたいですね。

 

 

 

栄養士・ダイエットコーチ 吉田 理江(よしだ りえ)

飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。