ほっと一息

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2024.06.30

ジメジメ暑い季節は要注意! 住まいのカビ対策

JA広報通信2024年6月号

イラスト:信吉

監修:NPO法人カビ相談センター  https://www.kabisoudan.com

 

カビは見た目や臭いだけでなく、家族の健康面からも心配……。しっかり対策して快適な住まいをキープしましょう!

 

カビはなぜ生えるの?

カビは条件がそろうと、あっという間に増えてしまいます。

 

温度

 カビが最も増殖する温度は20〜30度。20度以下の低い温度でもカビはゆっくリと生える一方、30度を超えると限られたカビしか生えません。

 

湿度

 雨が多くジメジメした季節はカビに要注意。湿度が60%以下になるとカビは生えなくなります。カビも生き物なので、生きるために最低限の水分は必要なのです。

 

酸素

 カビは酸素がないと生えません。カビが物体の表面によく生えるのもそのためです。酸素は人間にも必要なので、取り除くことは難しいですね。

 

カビ対策のポイント

カビが発生する条件を一つでもなくせばOK。ターゲットは「湿度」です。

 

換気

窓や扉を開けて通気・換気を心がけましょう。換気扇やサーキュレーターを使って空気の流れを作るのも有効です

 

 

湿度60%以下

湿度は60%以下が目安です。除湿機などを使用して、できるだけ一定に保ちましょう

 

 

清掃

小まめな清掃を心がけましょう(特に5〜10月)。掃除機を使うのはもちろん、こびり付いた汚れはぬれた雑巾で拭き取ります。拭き取った後は乾燥を忘れずに

 

 

家の中のココが気になる! カビ予防と対策

敷布団、マットレスなど

 敷布団は汗を吸収します。床や畳の上に布団を敷きっ放しにしておくと、その間に水分がたまってカビが生えやすくなりますので、万年床は厳禁。天気の良い日には外に干しましょう。マットレスやベビーベッドの底板も、風通しの良い場所に立てかけてよく乾燥させましょう。表面の少しの部分であれば消毒用エタノールなどで対処できます。

 

 

クローゼット、押し入れ、靴箱など

 収納部は普段閉め切っていることが多く、夏場は特に湿度も温度も高くなりがちです。収納量に気を付け、定期的に扉を開けて風通しを良くしましょう。衣替えに合わせて、たまったほこりを除去しましょう。市販の除湿剤も効果的ですが取り替えを忘れずに。靴は泥や汚れをしっかり落とし、箱や紙袋に入れずに収納しましょう。
 板の表面に生えたカビが粉っぽく見える(胞子がいっぱい作られている)場合は、消毒用エタノールなどで対処できます。

 

 

キッチン、浴室、洗面所など

 水回りには、食品のかすやせっけんかす、髪の毛、あかなどカビの餌がいっぱいです。汚れやごみをためず、小まめに掃除しましょう。台所のシンク周りの水はねも最後にしっかり拭き取るなど、水たまりを作らない心がけが大切です。
 浴室のカビや排水溝のぬめりには、塩素系漂白剤が効果的です。市販の次亜塩素酸ナトリウム剤で、まな板や布巾を消毒しましょう。

 

 

エアコン

 定期的な清掃を心がけ、ドライ機能を上手に使用しましょう。

 

カーペット、畳

 畳は天然のイ草でできており、湿度が高い状態が続くとどんどん吸湿してしまいます。布でできているカーペットも同じです。天気の良い日は窓を開け、風通しを良くして十分に乾燥させましょう。表面の少しの部分なら消毒用エタノールなどで対処できます。

 

 

 

カビが生えてしまったら?

 カビ退治(カビを死滅させる)には次の方法が有効です。薬剤の取り扱いに十分に注意の上、作業してください。

準備

マスク

 カビの胞子をできるだけ吸い込まないようにしてください。

 

ゴム手袋

 薬剤で手が荒れないように着用してください。

 

 

次亜塩素酸ナトリウム

 壁などによく効きます。100〜200ppmの濃度(水1Lに対して100〜200mg)で使用しましょう。使用後は水でよく洗い流すことを忘れずに。漂白作用もあるためカビによる色素も同時に除去できます。
※さびや変色の原因になるため、消毒後は必ず水拭きしてください。他の薬品と混ぜると有害物質が発生する危険があるため絶対に混ぜないでください。

 

 

消毒用エタノール

 濃度70%以上の消毒用エタノールはカビによく効きます。乾いた場所に、薄めずにしっかり吹きかけてください。吹きかけた後は拭き取らずそのままにして、しっかり乾燥させましょう。扱いやすい殺菌剤ですが、カビの菌体や色素は除去できません。

 

 

湿熱

 カビは100度近くの熱湯をかけるとすぐ死滅します。衣類ならスチームアイロンをかけるといいでしょう。ただしカビは乾燥状態の熱には強いため、布団乾燥機は予防には効果がありますが、一度生えてしまったカビを死滅させることはできません。

 

 

紫外線

 紫外線に長時間当てるとカビは死滅します。布団やシーツを天日干しすることで太陽光中の紫外線によって殺菌できます。カビが生えた場合はあらかじめ他の方法で殺菌した後、乾燥を兼ねて天日干しするのがお勧めです。