ほっと一息

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2024.08.16

お米をおいしく楽しもう 身近なお米をたくさん食べよう

JA広報通信2024年6月号

五ツ星お米マイスター●小池理雄

 

 みんなが大好きな食べ物って、何かな?

 例えば、おすし。マグロ、サーモン、イクラ……。みんなの好きなものばかり。でも考えてみて。いろいろなネタがあるけれど、それらは全てお米の上にのっかっているね。
 例えば大福。あんこやイチゴなどのフルーツが、もっちりして厚みのある皮に包まれているね。でも考えてみて。その皮って実はもち米というお米から作られているんだ。
 他にもおせんべいなどのお菓子や、おにぎり、牛丼や親子丼といった丼飯。それら全てにお米が使われているよね。
 日本には行事食といって季節ごとのイベントで食べる食事があります。例えば正月だとお雑煮、5月のこどもの日はかしわ餅、秋の十五夜ではお団子など。昔から行われてきたイベントでは必ずといっていいほどお米が登場しているね。
 そう、ここまでみんなにとって身近……、身近なだけではなく好きな食べ物で使われているのがお米なんだ。

 

 でも……。最初にみんなに話したように、今、日本人はお米を食べなくなっています。お米を食べなくなってきているということは、作られているお米の量も減ってきているということ。そして田んぼがだんだんと減ってきているんだ。田んぼは長い年月をかけて私たち日本人が作り出してきたお米を栽培する装置。
 でも田んぼは自然の中にあるから、一度でも管理をやめてしまうと雑草が生えたり、土が硬くなったりしてすぐには元に戻らないんだ。
 「お米を食べると太る」と言ってお米を避けている大人たちは、弁当のお米の代わりにブロッコリーを入れたり、おすしではお米の代わりにダイコンや豆腐を使ったりするけれど、お米がなくなればみんなもそういった食べ方になってしまうんだ。
 そうならないように、みんなが普段の食事からお米をしっかり食べる、ということも大事なんだね。

 

 

五ツ星お米マイスター 小池 理雄(こいけ ただお)


小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。