ほっと一息
2024.07.30
趣味の仲間のおつき合い
JA広報通信2010年8月号
エッセイスト●小川有里
地域にはさまざまな趣味のサークル、クラブなどがあります。
Aさんも十数年前からあるクラブに所属し趣味を楽しんでいます。会員は約20人で50~60代を中心とした女性ばかり。その中で近年、新たな悩みが生じてきたそうです。
「会員の平均年齢が高くなり本人の病気入院、同居している親が亡くなることが多くなった。そういう場合、クラブとして1人1000円を集め、クラブ一同としてお見舞い・香典とする、お返しは不要と一応決めているのだけれど、例外がたびたびで…」
それはクラブで一番押しが強いBさんが毎回こう言うからです。
「彼女はクラブができたころからいる人。1000円では少ない。今回は1人3000円にしようよ」「彼女は介護が長かったんだから、そのねぎらいも込めて3000円ずつ出そうよ。ねっ」と。
彼女に圧倒されてみんな、しぶしぶ3000円を出す。するともらう方も「こんなにいただいてお返しなしでは悪い」と、全員に商品券などで半返しする。出す方ももらう方も負担になっている、と言うのです。
私はAさんにすすめました。会長にみんなの前でこう言ってもらいましょう、と。
「私たちの年代は冠婚葬祭の支出が多い。せめてこのクラブではそうした負担を減らそうということで1人1000円、お返しなしを守っていきましょう」と。
Aさんが事前に同じ意見の人たちにも頼み、拍手で会長の言葉に同意するといいでしょう。ちなみに私が聞いてみたいくつかの趣味のクラブでは「講師以外の会員にはクラブとして入院見舞い・香典は一切しない。個人的につき合いのある人同士でする」でした。Aさんのクラブもあらためて全員で話し合ってみてはどうでしょうか。