ほっと一息

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2024.07.09

子育てQ&A 子どもからの質問

JA広報通信2009年6月号

こどもの城 小児保健クリニック 小児科医●巷野悟郎

 

 

Q 5歳になる長女は、遊んでいるときでも「どうして」「コレなぁに」と聞くので、うるさいほどです。私にも分からないことがあるので困ってしまいます。みんなそうなのでしょうか。また、質問にはどう答えたらよいのでしょうか。

 

 

 

 

A
 この年齢の子どもの特徴といってよいでしょう。3歳ごろまでは、ただ目の前にあるもので遊び、自分中心の世界です。しかし3歳を過ぎると、言葉が豊富になって記憶力も出てくるため、いろいろなものを組み合わせて「どうして」となります。

 「どうして雷は光るの?」「どうして雨が降るの?」「どうしてチューリップは赤いの?」と、この時期に目にするものの中で、鮮烈な印象を受けたものについて質問するようです。

 このような質問をするのは、子どもがそこまで感じるようになったからです。とても喜ばしいことと受け止めましょう。子どもにとってこの世の中のことは、分からないことばかりなのです。例えるなら、私たちが月世界に初めて降り立ったときと同じようなことが、毎日起こっているといってよいでしょう。

 そこで、子どもにどう答えるかということです。例えば「赤いチューリップは、その花のお母さんも赤だったから」と言えば、それで納得するかもしれません。

 しかし「ほんと、きれいなお花ね」と一緒に喜べば、それが答えではなくても、子どもは花の色への興味がわいてくるのではないでしょうか。

 このころの質問は難しく考えないことが大切です。正解を教えるよりも、子どもの気持ちに夢を持たせるような会話にしたいですね。これがやがては自分で考える力を育てていくことでもあるのですから。