ほっと一息

ほっと一息

2024.05.29

シニアのためのネットリテラシー講座 災害時におけるSNS活用のこつ

JA広報津信2024年4月号

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子

 

 大地震のような災害時には、電話がつながりづらくなります。そんなときでもインターネット回線を使うSNS(会員制交流サイト)なら利用でき、安否確認や情報収集などに活用できます。災害時にSNSを活用するこつについてご紹介します。

安否確認用にLINEグループを作成しよう

 LINEは、東日本大震災をきっかけに生まれたSNSです。「既読」機能は、相手が返事をする余裕がなくても、自分が送ったメッセージを読むと「既読」の文字が表示されるため相手の安否が分かります。
 あらかじめ家族や親しい友人間などのLINEグループを作っておくと、日常的なコミュニケーションの場としても、災害時などいざというときにも活用できるでしょう。

 

平時に情報収集の準備をしよう

 災害時に備えて、SNSで情報収集する準備をしておきましょう。お薦めは、フォロー・フォロワー関係を超えて情報収集ができるX(旧ツイッター)です。普段Xを使わない人も、災害時用にアカウントを一つ作成しておくと安心です。
 「首相官邸(災害・危機管理情報)」「NHK生活・防災」「ウェザーニュース」などの災害・防災関連アカウントをフォロー(相手が発信するメッセージを都度自分のページに表示する機能)しておくと、テレビなどが見られないときでも災害・防災関連の最新情報を得られます。
 被災した場合、自治体での被害状況、避難所や救援物資情報なども得る必要があります。平時のうちに、居住する自治体や市区町村長、知事などのアカウントもフォローしておくといいでしょう。離れて住む家族の居住自治体のアカウントもフォローしておくと、いざというときに代わりに情報を得て伝えてあげることもできます。
 なお、情報収集時はデマに注意する必要がありますが、自治体など、信頼できるアカウントがリポスト(拡散)している投稿や、フォローしているアカウントは比較的信頼できると考えられます。

 

 

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 高橋 暁子(たかはし あきこ)

SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。