ほっと一息
2024.05.24
栄養バランスを整えよう 毎日の果物で もっと健康に
JA広報通信2024年4月号
私たちに身近な果物にはビタミンやミネラルなど体に良い成分がたっぷり! 毎日食べて、健康増進に役立てましょう。
朝食に果物をとりましょう!
1日のスタートに速やかに栄養補給!
活力ある1日を送るためにも、朝食に果物を食べましょう。睡眠中に消費された有効成分やブドウ糖を速やかに補給できます。果物に含まれるビタミンは体調を整え、果糖やブドウ糖は体内に吸収されやすく、エネルギー源になります。
果物には水分や爽やかな食感を与える有機酸も多いため、朝に食欲が湧かない人でも食べやすく、食欲増進にも役立ちます。
時間のない朝に手軽に食べやすいという点も果物の魅力です。
果物はダイエットの敵!?
食べ方・選び方で健康的に
果物は甘いものが多く、ダイエット中の人は食べない方が良いと思われるかもしれません。確かに、果物は甘さが魅力ですが、高カロリーというわけではありません。菓子類のようにカロリーが高い脂質はほとんど含まれていません。
果物は大部分が水分であり、ビタミン・ミネラル・食物繊維など体に必要な栄養も含まれています。適量を食べることで上手にダイエットに取り入れることができます。
注目の栄養素 ベータクリプトキサンチンとは
ヒントはミカンを食べると手の平は何色に?
ベータクリプトキサンチンはミカンに多く含まれる色素で、体内でビタミンAに変換されるプロビタミンAの一つです。ミカンを食べたときに手を黄色くする色素でもあります※。ビタミンAは目や皮膚を健康に保つ働きがあり、ベータクリプトキサンチンにも同様の効果があります。最近の研究結果では、血中のベータクリプトキサンチンの濃度が高い女性ほど、閉経後の骨密度が高いということが分かりました。その他、肝機能保護効果や動脈硬化、糖尿病の予防にも役立つことが分かっています。
※手が黄色くなる度合いには個人差があります。
アスリートを果物がサポート
運動時のエネルギー補給にも
スポーツした後の水分補給は必須。加えて、失われたエネルギーとビタミン、ミネラルも欲しいところです。それらを速やかに一度に補給できるのが果物です。果物が疲労回復促進をサポートします。激しい運動を行うと体内に活性酸素が増えるといわれますが、果物に含まれるビタミンCやE、ポリフェノール類には抗酸化作用があることも分かっています。生の果物はもちろん、果汁100%のジュースを飲むのも良いでしょう。
肌を健やかに保つ栄養素がたっぷり
上手に取り入れて美肌を目指そう!
果物には便秘を解消する働きがある食物繊維や、美肌に欠かせないビタミンが豊富に含まれています。中でも多く含まれるビタミンCは、肌を黒くするメラニン色素の形成の進行を抑える働きがあり、美白に有効とされています。肌の維持に関係するコラーゲンを形成するためにもビタミンCは欠かせません。ビタミンCは水溶性で加熱に弱いため、そのまま食べられる果物は特にお薦めです。栄養バランスを崩しがちな現代人の食生活に積極的に取り入れたいですね。
糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を予防
健康に欠かせない栄養素が効率よくとれる
果物は比較的血糖値を上げにくい食べ物といえます。果物に含まれる食物繊維は、急激な血糖値の上昇を抑制する作用があります。適量の果物を食べる人は、血液中の中性脂肪の含有量が正常化され、生活習慣病のリスクが低いことも明らかになっています。
旬の果物を五感で楽しもう!
酸味や甘味、フレッシュな香りと色のパワー
果物を食べたときに感じる酸味は有機酸で、爽やかな清涼感があります。おやつに高カロリーなスイーツをとるよりも、果物ならば罪悪感なく食べることができます。また、果物によって旬を迎える時期が異なり、それぞれの特徴を五感で楽しめます。精神的なストレスにさらされがちな現代人にとって、果物の持つ甘みと酸味、香りの豊かな果物は心理的な健康状態にも良い影響があると考えられます。
「毎日くだもの200グラム運動」とは
果物を毎日たくさん(200g)食べて健康な体づくりを目指す運動のこと。果物にはビタミン・ミネラル・食物繊維など、体に必要な栄養が豊富に含まれるため、毎日果物を食べて、バランスの取れた食生活を送ることを提案しています。
果物200gってどれくらい?
ミカン 2個
バナナ 2本
キウイフルーツ 2個
柿 大きめ1個、小さめ2個
桃 大きめ1個、小さめ2個
夏ミカン 1個
伊予カン 1個
ブドウ(巨峰など大粒)1/2房
梨 1個
※出典:「毎日くだもの200グラム運動指針」(8訂版)
参考:公益財団法人 中央果実協会 https://www.japanfruit.jp
イラスト:小林裕美子