ほっと一息

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2024.04.06

お口の健康が全身の健康に! 口腔体操で オーラルフレイル対策

JA広報通信2024年3月号

イラスト:出口由加子

 

オーラルフレイルとは?

高齢になって心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態をフレイル(虚弱)といいます。フレイルは身体機能の低下より先に、他者との交流など社会参加が減ったり、口の機能が衰えること(オーラルフレイル)から始まります。口腔(こうくう)体操で予防しましょう!

 

口・舌の動きをスムーズにする体操

唇や頰、口周りや舌の筋力をアップする体操です。口の機能が高まって、唾液がよく出るようになり、舌が滑らかに動いて食べ物をのみ込みやすくなります。顔の表情も生き生きしてきますよ。

(唇を中心とした)口の体操

①「ウー」と言いながら口をすぼめます。
②「イー」と言いながら口を横に開きます。

(唇と)頰の体操

頰を膨らませた後すぼめる動きを、数回繰り返します(水はなくてもOKです)。

 

舌の体操(舌圧訓練)

①舌を左の頰の内側に強く押し付けます。
②指で、頰の上から舌先を押さえます。
③それに抵抗するように、舌を頰の内側に、ゆっくり10回押し付けます。
④右の頰も①〜③を繰り返します。

 

 

パタカラ体操

①〜④を各8回ずつ、2セット発音します。

①「パ」…唇をはじくように。
②「タ」…舌先を上の前歯の裏に付けるように。
③「カ」…舌の付け根を上顎の奥に付けるように。
④「ラ」…舌を丸めるように。

 

 

唾液腺マッサージ

①耳下腺マッサージ
指数本を耳の前(上の奥歯辺り)に当て、10回ほど円を描くようにマッサージします。

②顎下腺マッサージ
顎のラインの内側のくぼみ部分3、4カ所を順に押していきます。各ポイント5回ずつを目安に行います。

 

③舌下腺マッサージ
顎の中心辺りの柔らかい部分に両手の親指をそろえて当て、上方向にゆっくり10回ほど押し当てます。

 

 

のみ込むパワー(嚥下〈えんげ〉機能)を付ける体操

のみ込みに関連する筋力をアップすることで、食事中のむせなどの症状の改善につながります。

 

開口訓練

1日10秒間×2セット(朝・夕)行ってください。
①ゆっくり大きく口を開け、10秒間キープします。
②しっかり口を閉じて10秒間休憩します。
※口を開くときは、無理せず痛みが出ない程度までにしてください。

 

 

舌出しごっくん体操

舌を少し出したまま、口を閉じて唾をのみ込みます。

 

 

ごっくん体操

 

チェック 唾をのみ込んで喉仏の位置を確認

喉仏に手を当て、唾をゴクンとのみ込みます。 喉仏が上がることを確認します。

①喉に手を当てたまま、顎を少し引きます。唾をゴクンとのんで、喉仏を上げます。
②喉仏を上げたまま、5秒保ちます。
※5秒が難しいときは、できる長さで無理せず行いましょう。
③息を一気に吐き出します。
※おなかからしっかりと吐き切りましょう。

 

 

おでこ体操

①指先を上に向け、手のひらとおでこを押し合うようにします。
②おへそをのぞき込みながら、5つ数えます。
※首に痛みのある方や高血圧の方は避けましょう。

 

 

かむパワー(咀嚼〈そしゃく〉機能)を付ける体操

食べこぼしや、食べ物が鼻に流れ込むのを防ぎます。唾液がよく出るようになると、おいしく安全に食べられます。

咀嚼訓練

ガムをかむことにより、かむために必要な筋肉を鍛えることができます。1日2回(朝と夜)、2分間はリズムを決めて、3分間は自由に、計5分間ガムをかみます。

①唇を閉じて、しっかりとかみましょう。
②ガムは1カ所でかまず、口の左右両側で均等にかみましょう。
③姿勢を正してかみましょう。

食事のポイント

●一口につき30回以上かむ。
●口いっぱいにものを詰め込まない。
●一口ごとに箸を置く。
●食材はやや大きめに切るか、やや硬めにゆでる。
●歯応えのある食材を使う。
●テレビやスマートフォンを見ながら食べない。

 

 

 

参考:日本歯科医師会HP


オーラルフレイル対策のための口腔体操

こんな体操もあります!
●滑舌(口唇・舌の巧緻〈こうち〉性)を良くする体操
●舌のパワーを付ける体操