ほっと一息

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2024.03.26

お米をおいしく楽しもう 「ご飯」って何だろう?

JA広報通信2024年3月号

五ツ星お米マイスター●小池理雄

 五ツ星お米マイスターの小池理雄(ただお)です。
 さて突然だけれども……。皆さん、「ご飯」って知ってますか?
 「……ご、ご飯? だって毎日食べているもの。朝ご飯はパンで、昼ご飯はご飯で……」「あれ、そういえばなんでお米のことも食事のこともご飯って言うんだろう……?」と不思議に思ったことはないかな?
 パンやそばのように、お米を使っていなくてもご飯と呼ぶこともありますね。
 実は日本語においてご飯とは、いくつかの違う意味を持つ言葉なんだ。この言葉がお米を指す場合と食事全般を指す場合があるのだけれども、その理由には日本の歴史と文化が影響しているんだ。
 日本では長い間、主食としてお米を食べてきました。まずお米があって、その周りにみそ汁があって、おかずがあって……といった風にね。そういった歴史があるからご飯といえば、お米を指したり食事全般を指したりするんだ。
 そんな国、他にあるのかな? 例えば英語ではお米は「Rice」だけれども、食事は「Meal」。英語では別の意味だけど、日本人は同じ意味で使うんだ。
 日本人が一人当たり一日で取るカロリーのうち、最も多いのはやはりお米。全体の20%も占めているんだ。
 しかもお米は98%が国産なんだ。お米以外の穀物だと、小麦は17%、大豆は7%で、いかにお米が日本人にとってなくてはならない大事な食糧であるかが分かるね。
 それなのに……。日本人が年間で食べるお米の量は、実はここ60年くらいで半分以下に(泣)。これほどまでにお米を食べなくなった理由はいろいろあるけれど、お米が身近過ぎて興味がなくなった人が多いということもあります。
 でもちょっと待って! お米って本当はとても楽しいし、とてもすごい食べ物なんだ! この連載を通じてお米の楽しさやすごさ、おいしさを一緒に見ていこう!

 

 

五ツ星お米マイスター 小池 理雄(こいけ ただお)


小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。