ほっと一息

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2024.03.04

お米をおいしく楽しもう 玄米

JA広報通信2024年2月号

五ツ星お米マイスター●小池理雄

 最近は健康意識の高まりから、玄米を食べる人が増えています。
 しかし売る側からすると玄米を消費者に販売するのは、簡単なようでいて実はハードルが高いのです。
 弊社の名前は「小池精米店」です。文字通り精米することを生業としている会社です。つまりお米を玄米として販売することはもともと想定していません。
 通常、玄米の中には、石やもみなどの異物が混入しています。玄米をそのまま小分け販売するとそういった異物が混入している場合があるのです。
 異物が入る理由の一つは、コンバインで稲刈りをする際に田んぼにある異物を巻き込んでしまうためです。そして異物が残ったまま流通する理由は、そもそも精米段階で異物を除去することを前提としているからです。そう、玄米段階で異物がある程度入っていることは、精米店にとって普通なのです。
 玄米を白米に仕立てるには、弊社のような小さな精米店でも、工場のようにさまざまな機械を組み合わせてラインを組んでいます。その過程で異物を除去しているのです。あくまでも白米を仕立てるためであり、玄米を売るためではありません。もし玄米を売るのであれば別途玄米用のラインを組むか、きちんと異物まで丁寧に除去している農家から玄米を購入する必要があります。
 そのため、弊社が購入している玄米は50種類以上ありますが、全てを玄米で売ることはできません。そして玄米のまま販売できるお米とは、農家の段階でイレギュラーなもうひと手間をかけているお米であるため、実は比較的高値の場合が多いのです。
 このように玄米で購入することはあくまでもイレギュラーケースであることは覚えておいてください。皆さんがもし玄米を購入される場合は、きちんと石抜き済みなのかどうか、ぜひともご確認ください。

 

 

 

五ツ星お米マイスター 小池 理雄(こいけ ただお)

小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。