ほっと一息
2024.02.18
シネマレストラン 胃袋をつかむ食の映画 「刑務所の中」
JA広報通信2011年2月号
●佐藤白君
受刑者番号222番、花輪和一。銃砲刀剣類不法所持、火薬類取締法違反で懲役3年。まさかの刑務所行きとなった彼を待ち受けていたのは「もしかして、シャバよりいいかも」と思わせる暮らしぶりだった…!? 現役漫画家の獄中生活を描き、大ヒットとなったコミックを映画化。そんな本作の見どころは、何といっても刑務所の食なんです。
そう、日々の食事は受刑者にとって何よりの楽しみ。厳しい規律はあるものの、食事は和食を中心に1日3回欠かさず提供される上、年末には年越しそば、年始はおせちが提供されるなどイベント食もばっちり。また、受刑者の甘いものやコッテリとした味に対する欲求はすさまじく、パンとマーガリン、小倉小豆にフルーツカクテルという昼食を半月も前から楽しみにしているというエピソードも。
「臭いメシ」といわれる刑務所の食。この映画を見ていると、決してそんなふうには思えないのですが…、さて、真実は?
2002年製作 日本映画 93分 監督: 崔洋一 出演: 山崎努、香川照之、田口トモロヲ、松重豊、村松利史 発売元:アーティストフィルム/ショウゲート 販売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント 税込価格4,935円(発売中)レンタルあり
佐藤白君(さとうしろくん)
『TSUTAYA』のレンタル向けソフト仕入れ担当を経て、映画専門の宣伝会社でポスターやパンフレットの原稿を執筆。その傍ら映画ライターとして映画紹介・コラム等を手掛ける。現在はフリーライターとして幅広い分野で執筆中。