ほっと一息

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2024.01.28

シニアのためのネットリテラシー講座 位置情報を利用する際の注意点

JA広報通信2024年1月号

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子

 

 スマートフォンの設定で「位置情報サービス」をオンにして、アプリごとに利用時の位置情報の利用を許可すると、さまざまなサービスが便利に使えます。Google マップなどの地図アプリ、ファストフードなどの店舗のアプリ、インスタグラムなどのSNS(会員制交流サイト)、位置情報ゲームなどは、位置情報をオンにすることで便利に使えます。一方でリスクもあるので、注意点をお伝えします。

 多くの人に見てもらったり、健康促進にも

 SNSには、アプリの設定から位置情報をオンにすることで、位置情報を付けた投稿ができる仕組みがあります。自分の居場所の情報を付けた投稿をしたり、「#京都グルメ」「#福岡観光」などの撮影場所が分かるハッシュタグ(#)を付けて投稿することも可能です。
 位置情報を付けることで、その土地に興味がある人に見てもらいやすくなり、近くにいる人と合流しやすくなるなどのメリットもあります。投稿を多くの人に見てもらいたい場合は付けるといいでしょう。
 位置情報ゲームを使うと散歩が楽しくなり、健康促進効果にもつながります。ゲーム内で近くにいる他人とつながることで、交流も広がり楽しめるはずです。

 

 リアルタイムでの投稿はNG、公開範囲制限も

 一方で、不特定多数に位置情報を公開してしまうと、思わぬ被害に遭うこともあります。例えば、「明日から旅行」「札幌到着。3日間の旅行スタート」のように、自分の居場所や留守の期間を公開してしまい、空き巣被害に遭う事例も起きています。投稿の公開範囲を友だち限定にしたり、居場所はリアルタイムに投稿せず、帰宅してからまとめて投稿するのもお勧めです。
 自宅や勤務先近くのローカルスポットに関する投稿をすると、自宅や勤務先が特定されるリスクにつながります。最寄り駅、行きつけの店、通勤経路などが分かる投稿はしないようにしてください。

 

 

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト  高橋 暁子(たかはし あきこ)

SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。