ほっと一息
2023.12.25
トラブル回避の基礎知識 転売チケットに関するトラブルが増加しています
JA広報通信2023年12月号
国民生活センター相談情報部●岡島睦美
【事例】コンサートのチケットをインターネットで購入しようと思い、アーティスト名で検索し一番上に表示されたサイトにアクセスした。画面に制限時間が表示されたので焦って申し込み、チケット2枚の代金5万円をクレジットカードで支払った。後になってこのサイトが海外のチケット転売仲介サイトで、公式のチケット販売サイトよりもはるかに高い価格で購入してしまったと知った。公式サイトには、「転売チケットでは入場できない」と記載されていた。解約したいが、転売仲介サイトの規約にはキャンセルできないとある。何とかならないか。
チケット転売仲介サイトとは、チケットを売りたい人と買いたい人の売買を仲介するサイトです。検索ワードに応じて上位に表示された広告を、公式のチケット販売サイトと勘違いして購入するケースが多く見られますが、高額な代金を支払って購入しても、興行主がチケット転売を禁止し、本人確認を厳格にしている場合は、入場できないことになります。
一方で、転売仲介サイトで購入したチケットを解約しようとしても、規約で「チケットが届かなかったり、実際に入場できなかったりした場合以外の解約はできない」などと定められている場合は、事前のキャンセルは困難です。トラブルを避けるため、チケットは必ず興行主の販売サイトなど正規の販売ルートから購入するようにしましょう。
他方、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨が券面に明示され、座席指定などがなされたチケット(特定興行入場券)を、興行主の事前同意を得ずに業として販売価格を超える価格で転売してしまった場合、自らがチケット不正転売禁止法違反の罪に問われる場合があります。絶対にチケットの転売はせず、チケットを譲りたい場合は、公式のリセールサービスを利用するようにしましょう。