ほっと一息

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2023.10.14

私の食育日記 果物で朝から元気に

JA広報通信2023年10月号

食育インストラクター●岡村麻純

 

 子どもたちは果物が大好きです。秋になると、ブドウに梨、柿にリンゴとおいしい果物がたくさん。しかし、果物は糖を多く含むため、食べ過ぎには注意が必要です。そこでわが家では、果物は朝食に食べることにしています。

 甘くておいしい果物は糖類が多く含まれます。食事によって摂取した糖類は小腸で吸収され、肝臓に蓄えられて全身に送られます。糖類はグルコースに分解されて体内のエネルギーとなりますが、このグルコースは脳にとってとても大切です。脳は、他と違ってこのグルコースのみをエネルギーとして活動しているからです。脳では、たくさんのエネルギーが使われています。これは寝ている間も同じです。睡眠中に使われた脳のエネルギーをしっかり朝食で補わなければ、午前中の勉強やお仕事もはかどりません。

 そんな糖類の中で、果物に多く含まれる果糖は、ご飯やパンに含まれるでんぷんより速く代謝されるのが特徴です。朝食に果物を食べることで、素早くエネルギーが補給され、午前中から脳も体も元気に活動できるようになります。

 もう一つ、果物には食物繊維が多いという特徴があります。朝、食物繊維を取ってしっかり腸を動かすことで、腸内環境を整え、健康維持に役立ちます。他にもむくみやすい朝ですが、果物にはむくみの防止になるカリウムも多く含まれます。果物の多くは水分が多いので、寝ている間に失われた水分を補給する意味でも活躍してくれます。

 味覚の秋。秋の果物であるリンゴにはペクチンという食物繊維も豊富で、リンゴ酸は疲労回復にもつながります。柿はベータカロテンやビタミンCが多く、風邪予防に効果的です。たくさんの種類の果物を楽しみながら、朝の果物で、午前中から体も心も元気いっぱいでいたいと思います。

 

岡村 麻純(おかむら ますみ) 食育インストラクター


お茶の水女子大学食物科学講座卒業
大学では食育をテーマに研究
男女2児の母