ほっと一息
2024.04.03
おいしく食べて美しく 食べ物で春の体調不良対策
JA広報通信2024年3月号
栄養士●吉田理江
少しずつ気温が高くなり過ごしやすい季節の春になりました。しかし、だるさ、頭痛、疲労感などの体調不良を訴える方も少なくありません。原因は、気温の寒暖差、環境の変化により自律神経のバランスが乱れるためです。今回は、自律神経を整える効果が期待できるお薦めの食べ物二つをご紹介します。
タケノコ
タケノコには、多幸感を感じるドーパミンなどの神経伝達物質を作り、自律神経を整えるために欠かせないアミノ酸の一つのチロシンが含まれています。節の間にある白い粉のようなものがチロシンです。チロシンは体内で合成されるため、不足することはないと考えられています。しかし、無理な食事制限をすると不足する恐れもあるため、3食しっかり食べるようにしましょう。バターとしょうゆで炒め、チーズをのせてトースターで焼くと煮物に飽きた方でもおいしく食べられます。
イチゴ
イチゴには、ストレスへの抵抗力を高める働きがあるビタミンCが含まれています。しかし、過剰に取っても余剰分は尿と一緒に排出されるため、一度に過剰に取るのは控えましょう。毎食取るのが好ましいです。ビタミンCは、コラーゲンの合成に欠かせない栄養素のため、美しい肌を保ちたい方は積極的に取るようにしましょう。イチゴに含まれるビタミンは水溶性ビタミンで、水に溶けやすく熱に弱い性質があります。生で食べるのがお薦めです。食後のデザートにイチゴを食べると良いでしょう。
自律神経を整えるためには、腸内環境を整えることも必要です。幸せホルモンと呼ばれ、自律神経のバランスを整えるために必要なセロトニンの9割は腸で作られます。今回ご紹介した食べ物の他に、腸内環境を整える働きがある、食物繊維を多く含む海藻や野菜なども取るようにしましょう。
栄養士・ダイエットコーチ 吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。