ほっと一息
2024.01.27
トラブル回避の基礎知識 不用品回収サービスのトラブルが寄せられています
JA広報通信2024年1月号
国民生活センター相談情報部●浅野友紀子
【事例】
引っ越しに伴い不用品を処分するため、インターネット広告で「軽トラックパック6000円、2トントラックパック3万円」と記載がある事業者へ電話をした。不用品の量を伝えて料金を確認すると「現場へ行ってみないと分からない」と言われた。当日、軽トラックだと思っていたら2トントラックで来訪し、荷積みが終わると20万円を請求された。「広告と違う」と抗議したら、「人件費、作業代金、不用品処分費用だ」と言われた。その日に部屋を退出することになっており、仕方なくお金を用意して支払った。納得できない。
不用品回収サービスのサイト上に「定額〇〇円」と安い価格が表示されていても、作業当日に広告などになかった料金を請求される場合があります。消費者が自宅で契約を締結するために事業者に来訪を要請した場合にはクーリング・オフの対象外となりますが、その場合、消費者が金額を含めた確定的な内容で契約を締結する意思をあらかじめ有していることが前提です。消費者が安価な広告の表示額で契約する程度の意思しかなく、実際に請求された高額な金額で契約する意思がなかったことが明らかな場合は、クーリング・オフできる可能性があります。
一般家庭から出る廃棄物は市区町村の統括的な責任の下で適正に処理される必要があります。処分する際は市区町村に相談しましょう。
一方、市区町村以外に不用品の処分を依頼する場合、市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けた事業者に依頼する必要がありますが、産業廃棄物処理業の許可のみの無許可業者が違法に回収している場合があります。依頼する前に市区町村のサイトなどで一般廃棄物処理業の許可業者を複数選び、事前に見積もりを取ると安心です。その際、作業内容や追加料金の有無、解約料などを確認し、十分に比較検討した上で依頼しましょう。